ART IN THE OFFICE 2016 「Painting on the Kimono」完成!

マネックス証券のプレスルーム壁面を彩るアート作品を公募する「ART IN THE OFFICE」。本年度で9回目の開催を迎えた当プログラムは、マネックス証券が現代アートの分野で活躍するアーティストを支援する目的で実施しています。
2016年度は111点の応募作品案の中から、ストリートアートのコンテクストあるいは個人の歴史をオフィス空間にとりいれた斬新さ、作品の持つ複雑性が評価され、菅 隆紀氏の「Painting on the Kimono」が選出され、この度作品が完成しました。

“現代における衝動とその行為”および“形あるものの破壊と創造”をテーマとし、菅氏がマネックス証券のプレスルームで当プログラムのために、約3週間かけて制作した作品です。
制作期間中には、菅氏はマネックス証券社員とのワークショップを開催し、ドリッピング(カンヴァスに絵の具を垂らして描く絵画技法)によって“感情”を表現しました。このワークショップで得られたイメージや菅氏がこれまで集めてきたモチーフをもとに、8枚の着物の上に独自の手法で幾重にもペイントが施され、更にそれを崩していくことで作品が生まれました。
祖母が愛用していた着物に絵の具を垂らしマスキングを施す行為は、自身のルーツを解体していくようだったと菅氏は言います。また、着物というカンヴァスから新たな柄を浮かび上がらせた本作品は、観る人それぞれが持つさまざまな感情や記憶を呼び起こしてくれるようでもあります。既存の枠にとらわれず新しいものを生み出す本作品の試みは、常に「一歩先の未来の金融」の創造を目指すマネックス証券の企業理念とも共鳴するようです。

「ART IN THE OFFICE 2016」選考結果

「ART IN THE OFFICE 2016」作品:菅 隆紀/「Painting on the Kimono」/2016年/油彩、ラッカースプレー、着物、カンヴァス/230 x 500 cm

「Painting on the Kimono」は、マネックス証券プレスルームの壁面1面にわたって展示されています。

菅 隆紀氏コメント:

制作場所であるプレスルームは、様々な顔をもっています。ガラス一枚がとてつもなく分厚く、どこの世界とも関係を遮断し特別な儀式を行う洞窟のような空間という感覚を持つこともありました。そうかと思えば、社員の方が訪ねてきて、いたずらな遊びや予期せぬスパイスを風のように運んできてくれました。あるいは、こちらから半ば強制的に来訪者と関係を築こうとしたり、壁の向こう側で何気なく話している声から、モチーフになるヒントをキャッチしたり。
今回の作品は、美しい世界の広がる花柄の着物をカンヴァスに、衝動や破壊をテーマに絵の具をのせて制作してきました。こうした環境に身を委ねられたおかげで、この作品の意味をより複雑なものに変えることができたと思います。また、自分が到底到達しえないと思っていた場所に、微かですが可能性を見ることができました。
この作品を見た方には、視覚的トランス状態を経験していただきたいと思っています。そして、より積極的な議論が生まれ、プレスルームから予想もしなかった解決策や新たな出会いが生まれることを期待します。最後に、このような機会を与えてくださった松本会長およびマネックス証券の方々に感謝します。今後とも温かい目で応援してください。

菅 隆紀(すが たかのり)氏プロフィール

1985年長崎県生まれ。2009年愛知県立芸術大学卒業。人間の根源にある行為や欲求をテーマに、絵画的技法を用いて表現している。2014年、オーストラリアを放浪中にアボリジニ文化に影響を受け、出会った老人の古民家にて滞在制作を行う。これまでに、KOSHIKI ART EXHIBITION 2012(2012年、鹿児島)、ドリッピンクプロジェクト(2013年、京都府庁旧本館 Musee Acta)、駒込倉庫(2015年、コミッションワーク)などで作品を発表している。
Takanori Sugaウェブサイト


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