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マネックスで実践!長期分散投資 2.インフレ転換期は、長期分散投資が効く!

なぜ今、投資・資産運用を始めるのがいいのでしょうか?
これまで何が起こっていたかもよく分からないので教えて欲しいな。

日本では1990年のバブル崩壊以降、株価の長期的な下落トレンドが続いたの。

失われた20年に何が起こったのか?

解説「失われた20年」の期間、株価は長期的な下落トレンドが続きました。同時に、不動産の価格も下落が続きました。

株価も地価も、「株式や土地が将来どれくらいの利益をもたらすか?」という「予想」で決まります。「利益」とは、株式であれば配当、土地であればそこに建てられているマンションなどを貸すことで得られる家賃です。「配当(その原資となる企業利益)」や「家賃」が増えると予想されれば、株価や土地価格は自然に上昇します。ただ日本では、1990年にバブルが崩壊してから、経済の縮小が長期化し、「配当や家賃はもう上がらない」という考えが定着しました。

図1 名目GDP vs 賃金指数 vs 株価 vs 地価(日本)

(出所)内閣府よりマネックス証券作成

図1では、バブル崩壊以降、日本の株価・地価が下落し続け、それと同時に名目GDPが縮小局面に至り、さらに私たちの賃金が下落の一途をたどっている様子が、はっきりと見てとれます。そして、日本のあまりに長期にわたる経済停滞いわゆる「失われた20年」は、バブル崩壊そのものがもたらしたというよりは、日本銀行などの当局がバブル崩壊後の対処に失敗し、日本がデフレと低成長に陥ったがために引き起こされたのです。

過去20年、多くの個人は、そうした経済状況を前提に資産運用を行ってきました。放っておけば、株式などのリスク資産は減り続けるばかりでした。リスク資産の価格上昇が長期間続かない場合、ある程度価格が上昇したら早々と売却することで利益を確定するのが合理的になります。多くの投資家にとって、価格が下落に転じるリスクに常に備えなければいけなかった時代が続いたのです。

日本の「バブル崩壊後のデフレ」の時は、株式などのリスク資産よりも、現金や預貯金で持っているほうが合理的だったということね。

日本だけがデフレだった!?

海外も景気が悪かったのかな?

海外ではリーマンショック以降も、デフレじゃなかったの。

解説ほとんどの先進国では日本のようにデフレに陥っておらず、リーマンショックのような大きな衝撃があっても、2009年以降株式市場は上昇基調を辿りました。これには様々な要因がありますが、何より重要なのはインフレが続き名目経済が拡大する、普通の経済環境を保ったことです(図2)。つまり、一部南欧諸国を除き米欧先進国では、正常な経済活動ができる環境が保たれるという中央銀行による妥当な金融政策が実現しました。

図2 米日欧の名目GDP

(出所)内閣府よりマネックス証券作成

インフレ・デフレを決定するのは、中央銀行である日本銀行の金融政策です。日本銀行が、米国のFRBのように世界標準の金融政策を行うことで、時間がかかるとしても、脱デフレと経済正常化は実現するでしょう。

日本銀行の金融政策が鍵を握っているということね。

アベノミクスによる変化

今、日本銀行の金融政策はどうなっているんだろう?

2012年12月に第2次安倍晋三内閣が発足したことによって、大きく方針が変わったのよ。

解説2012年末から脱デフレを掲げる経済政策「アベノミクス」が始動しました。
アベノミクスは「3本の矢」として以下をあげています。

第1の矢 大胆な金融政策
第2の矢 機動的な財政政策
第3の矢 民間投資を喚起する成長戦略

第1の矢である「大胆な金融政策」を成功させるために2013年3月に日本銀行の総裁に黒田東彦氏が着任しました。その後、それまでデフレを許容してきた日本銀行は2%インフレを実現させる通常の中央銀行に生まれ変わりました。

日本銀行は、2%の物価上昇(インフレ)を実現させるために、2013年4月に「量的・質的金融緩和」政策を導入することを発表しました。具体的には、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を2年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現するため、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長することなどを決定しました。

図3 消費者物価指数 食料及びエネルギー除く総合(前年比)

(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成 2014年4月~2015年3月は消費税増税の影響除く

また、2014年10月には以下の点において「量的・質的金融緩和」の拡大を行うことを発表しました。

  • 1. マネタリーベース増加額の拡大マネタリーベースが、年間約80兆円(約10~20兆円追加)に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。
  • 2. 資産買入れ額の拡大および長期国債買入れの平均残存年限の長期化

日本では2012年まで円高・株安の悪循環に陥っていましたが、アベノミクス開始以降は円安・株高傾向が続いており、企業収益の改善を背景に日経平均は2015年4月に約15年ぶりに2万円の節目を回復しました。その後中国経済の成長鈍化懸念(チャイナショック)や大幅な原油安等の影響で世界的に株価は大きく下落し、日経平均は2016年2月に一時1万5000円を割り込みました。

中央銀行の金融政策に着目すると、米国ではFRBが2015年12月に景気の引き締め施策として利上げの開始を決定しました。日本では日本銀行が2014年10月に「量的・質的緩和の拡大」を、さらに2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を発表しました。今後は、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で緩和手段が取られていくこととなります。

米国は「金融引き締め」日本は「金融緩和」という両国の金融政策の差が、今後もドル円を円安ドル高方向に推移させやすいとみられます。また、今後日本が本格的にデフレから脱却し日本銀行の目標とする2%のインフレ目標が実現すれば日本の経済成長率が高まり、日本株の一段の上昇も期待できそうです。

図4 ドル円 vs 日本株

(出所)マネックス証券作成

日本株と外貨建資産において分散効果が働くようになれば、長期分散投資がお勧めなのね。

個人投資家が金融資産を中長期的に殖やす方法とは?

今まで現金と預貯金主義。ボクらの世代が資産を殖やすにはどうすればいいのかな。

投資対象となるエリアや金融商品もたくさんあるから、悩むわよね。日本の株式を投資対象と考えるのはどうなのかしら?

解説デフレが続く世界では、現金・預金の価値だけは着実に──あるいは自然に──上がり続けます。モノの価格が下がり続けるため、相対的におカネ(たとえば1万円札)の利用価値(=購買力)は高まっていきます。

たとえば、モノの価格が年率で1%下がるデフレの世界では、預貯金の価値(=購買力)は年に1%の割合で自然に高まることになります。つまりデフレ下においては、価格変動のリスクを伴う積極的な投資活動をしなくても、現金を貯めておくだけで、実質的に年率1%の利回りに相当する経済的利益が得られていることになります。

ただし状況がインフレに転じると、そうではなくなる──つまり、これまでと同じ運用方法では「貧乏」になり続けます。

個人が金融資産を中長期的にしっかりと増やしたいのであれば、本来、最も適切な投資先は、自国の株式投資だと考えられます。

というのも、経済全体が拡大すれば名目GDP成長率がプラスになります。長期的には平均的な企業は、名目GDP成長率と同程度の利益を増やすことができます。また、株式市場に上場して長期にわたり生き残っている企業は、この平均的な成長率を上回る利益の伸びが期待できます。しかも、不確実な為替リスクを伴わない自国通貨建てで投資できることも、日本株投資の魅力です。

個人が金融資産を中長期的に殖やしたいなら、日本企業への株式投資が1つの選択肢なのね。

投資初心者はどの銘柄を選ぶべきか?

投資の必要性はわかったよ。でも、これまでに株式投資の経験はないんだ。ビギナーはどんな商品を選べばいいのかな?

いろいろあるけど、投資信託がオススメかな。

解説前述のシナリオが実現出来た場合、投資初心者は、日本株では日経平均株価やTOPIXなどの代表的な指標に連動するインデックスファンドや上場投資信託(ETF)、そして+αで考えるならば外貨建て資産としては海外ETFがおすすめだと思います。

こうした商品が初心者に向いているのは、個別銘柄より比較的少額から投資することができ、個々の企業への投資に潜む事業リスクの影響を薄めることができるからです。どんな立派な企業でも、個別で見れば、経営者の不祥事や大事故などのリスクを抱えており、それらが原因で株価があっという間に半分に下がることもありえます。しかし、こうしたアクシデントは、ライバル企業にとってはチャンスになり、そうした企業の株高要因にもなります。

このため、インデックスファンドや指数連動型の上場投資信託であれば、広範囲に日本企業へ投資することになるので、そうした個別企業の予期せぬリスクを軽減することができるのです。そして、日本経済はいま、デフレからインフレへと経済の大きな転換点を迎えつつあるため、多くの企業の業績が改善することが期待できます。ということは、そうした株式指数連動商品でも、大きなリターンを得られる絶好の好機といえるのです。

また、国内資産に偏らないグローバルな視点で投資対象を先進国だけではなく新興国にも拡大したり、リスク軽減のために投資対象を分散したいと考える(例えば、株式・債券・リート)なら、投資信託が有力な選択肢となります。海外ETFについても、海外市場の株式指数連動型のものを選択すれば広範囲に海外の企業へ投資することができます。

金融資産を中長期的にしっかりと殖やしたいのであれば、分散効果が働く場合も保有し続けるのではなく経済環境を見極めながら、保有銘柄の売却や投資対象の見直し(リバランス)などを適宜実施していくことが大切です。

中長期的に資産を殖やしたいなら、経済環境を見極めてリバランスすることも重要なのね。

(2016年4月7日更新)

長期分散投資コンテンツは、作成時点の法令等の情報を元に作成しており、今後の改正等により内容が変更となる可能性があります。

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