お金の基本(4)~殖やす前に「管理」が大切(2)~

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

お金の基本(4)~殖やす前に「管理」が大切(2)~

■ 不測の出費に備える

 前回は「投資で殖やす」を考える前に、お金の出入りつまりフローを管理することが大切だとお話した。収入金額を把握し、必ず一定割合を貯蓄する。1〜2年以内に使うお金は将来のための「貯蓄」とは区別し、別口座に「取り分け」て管理する。

 貯蓄は手取り収入の10〜20%が目安で、平均15%できれば合格。取り分けは、人によって違うので前年から割り出すのがいいが、やはり10〜20%がめどだ。ここまでできれば、管理はかなりいい線いっている。

 ただしこの秩序を乱す曲者がいる。不測の出費とクレジットカードだ。
 不測の出費とは、たとえば遠方に住む家族が病気をして頻繁に通わなくてはいけなくなったとか、退職後に転職先が決まらず失業手当が受けられる期間を過ぎてしまったなどだ(冠婚葬祭費や、帰省費用、車検費用などは1〜2年単位で予測がつくものなので「取り分け」口座から使う)。 

 不測の出費で「貯蓄」「取り分け」を使わなくていいように、必ず「緊急費」のための口座を持とう。

 「取り分け」口座を持ち、病気やケガでの入院に医療保険などで備えれば、緊急費はそれほど大きな額は必要ない。家族がある人なら生活費の3か月分くらい。新社会人や独身者はまず1か月分を備えて、少しずつ増やしていくといい。緊急費は万一のとき以外は手をつけてはいけないお金で、これを持てば多少のことで自分のライフプランを変更しなくてもすむ。

■ クレジットカード利用は、支出と借金の両面から管理

 ところで、現金の出入りだけを管理していると問題が起きることがある。クレジットカードで買い物をしたときだ。毎月同じような同じ額の買い物をして毎回一括払いなら、カード利用分の出費が1ヶ月後ろにずれるだけなので、さほど困らない。

 ところが、利用目的や利用額が毎月大きく違ったり、分割払いやリボルビング払いを利用すると、お金はなんとか回っているけれど、管理できていない、借金がどんどん膨らんでしまう、ということにもなりかねない。

 クレジットカードで支払ったときは、まず「支出」をきちんと認識しよう。生活費なのか「取り分け」か「緊急費」か。取り分けや緊急費から払うべきなら、カード代金の引き落とし日に、その分を該当の口座から(引き落とし口座に)移しておこう。

カードで払うとは、決済するまで借金を負うことでもある。なので利用額をきちんと計算しておき、前日には必要額が口座にあることを確認しよう。
 
 カードを複数使うと借金管理がめんどうになる。分割払いやリボルビング払いを利用するとさらに複雑になる。面倒や複雑は、管理の敵だ。少しでも気を抜くと混乱して借金がどんどん膨らみかねない。
 分割払い・リボ払いは金利がべらぼうに高いという面からも利用するべきではないが、管理の面からも大きな障害になる。

 クレジットカードは1枚だけを一括払いにする。利用額の管理を怠らない。これだけ守れば、クレジットカードを使っても、フローの管理が混乱することはない。

 すでにカードで混乱している人は、現在の残高を払い終わるまでカードの利用をストップしてみよう。残高がゼロになったら、前述のルールを適用して、少しずつ使ってみるのがいいだろう。もちろんしばらく使わないのも賢明だ。
中村芳子
ファイナンシャル・プランナー/アルファ アンド アソシエイツ代表
http://www.al-pha.com/fp/

※本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、マネックス証券の意見 ではありません。

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