お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
■口座を使い分けるとマネー管理が楽チン
あなたは金融機関の口座をいくつ持っているだろうか。適切な数の口座を持ち、目的に応じて使い分けてシステム化すると、マネー管理はぐっと楽になる。
管理が楽 ⇒ 時間がかからない ⇒ 自由時間が増える ⇒ やりたい ことができる ⇒ 生活が豊かになる という公式だ。
以前から、4つの口座を持つことを提案している。
1つめは「生活費口座」。給与振込口座をあてると簡単だ。この口座を公共料金などの自動引き落とし口座に指定し、生活費としての現金もここから引き出すことにする。ATMでの現金引出で手数料がかからない銀行を選びたい。 生活費口座には、給料が振り込まれたらすぐに生活費分だけを残して、それ以外のお金は、目的に応じた口座に振り替えたり積み立てたりすることがポイントだ。それによって、生活費の使いすぎを防げる。生活費の目安は手取り月収の70〜80%だ。
現金引出しの望ましいタイミングは人によって違うが、たとえば、毎週金曜日に、週末分と翌週分を引き出すようにすると管理しやすい。週末の余暇費○万円+1週間分の生活費○万円が毎週記帳されるからだ。
2つめは「緊急費口座」。金額の目安は家族持ちなら生活費の3か月分。シングルなら生活費1か月分からスタートして徐々に増やしていこう。生活費とは区別して、いつでも引き出すことができるのが条件。定期預金を「総合口座」にすると使いやすい。たとえば 100万円を定期預金にしておくと、その90%の90万円までは、普通口座のキャッシュカードで(定期預金を担保に)引き出す(借り入れる)ことができる。普通口座への入金で返済となる。いつでも引き出せる証券会社のMMFでもいいだろう。
3つめは「取り分け口座」。毎月はかからないが、1〜3年単位で考えると必ずかかるお金を「特別費」と呼んでいる。この分は、毎月の生活費とは区別して給料やボーナスから一定額を取り分けよう。そうすれば、車検、冠婚葬祭、家電の買い替えにもあわてずに対応できる。銀行の貯蓄預金や証券会社のMRFが使いやすい。
■殖やす口座は安定型と投資型を持つ
4つめが将来のための「殖やす口座」だ。取り分けはすぐに使うお金なので貯蓄とはいえない。殖やす口座への入金・積立が純粋な貯蓄だ。貯蓄額は手取収入の10〜20%が目安。収入が少なくてゆとりがない場合でも最低10%は貯めよう。余裕があれば20%。短期間なら30%貯めるのもいいが、それを続けるのは「貯めすぎ」で、今を楽しむゆとりを犠牲にすることになる。
前にも何度か書いたが、在職中に手取収入の平均15%を貯めることができれば、住宅取得、子どもの教育、退職後の備えという人生の3大出費をほぼまかなうことができる(退職金のある会社員の場合)。
殖やす口座は、安定型と投資型を組み合わせる。シンプルに50%ずつでもいいし、20代30代ならより大きなリスクが取れるので投資型の割合を高めてもいい。年間80万円貯められるなら、毎月1万円を安定型、2万円を投資型、ボーナスから14万円を安定型、30万円を投資型にという具合だ。
安定型は、会社の財形貯蓄、銀行の自動積立定期などがある。自動積立はできないが、ボーナスから個人向け国債を買ってもいい。
投資型でいちばん使いやすく、リスク分散ができるのは投資信託だ。証券会社でも銀行でも買えるので、自分が使いやすいところに口座を持とう。その際はもちろん手数料なども考慮する。個別株式にも投資したいという人は、月々は投資信託の積立、ボーナス資金で個別株式と組み合わせるといいだろう。
会社員で持株会がある人は、自社の将来性に期待できると判断したら利用したい。ただし1社への集中投資は避けたいので、投資型全体の3分の1以下に抑えたい。他業種や海外株、海外債券の投資信託と組み合わせよう。
投資に凝り始めると、殖やす口座が2つではなく5つにも6つにも殖えてしまう傾向がある。そうなると個々の銘柄の値段は追えても、投資型資産をトータルで管理するのが難しくなる。(マネックス証券のアカウントアグリ
ゲーションサービスはぜひ復活してほしいところだ)
年に1度は投資型の商品を見直し、口座も商品も増えすぎないように整理しよう。口座と目的があっているかもチェック。投資ポートフォリオがシンプルなら、短時間で合理的な判断ができ、いい結果をもたらすはずだ。
中村芳子
ファイナンシャル・プランナー/アルファ アンド アソシエイツ代表
http://www.al-pha.com/fp/
※本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、マネックス証券の意見 ではありません。
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