そもそもオルタナティブ投資って何?

シブサワ・アンド・カンパニー渋澤健が綴る「オルタナティブ投資」の世界。「オルタナティブ投資」が目指す絶対的収益の根源とは?(現在は更新しておりません)

そもそもオルタナティブ投資って何?

 最近、オルタナティブ投資のブームになっています。投資家がヘッジファンドへ出資した去年の金額は史上最大と言われる一方、優良バイアウトファンド(再生ファンド)が次号ファンドを立ち上げる際は投資家からの要望が殺到しています。このような優良ファンドたちは投資家に減額を要請したり、出資自体を断っています。

 バイアウトファンドは未公開企業の株式に投資することが一般的ですが、数年前からは銀行の不良債権を購入し企業に投資するディストレスト(Distressed)
ファンドも活躍してきました。そして最近は数年前と比べると下火になっていますが、ITバブルのときのベンチャーキャピタルファンドへの期待は記憶に新しいです。

 ご覧のとおり、「オルタナティブ投資」と一言で言っても、ヘッジファンド、バイアウトファンド、ディストレストファンド、ベンチャーキャピタルファンドと分野はたくさんあります。しかも各分野内でもファンドの手法スタイルや投資対象は更に細かく分かれています。これは、当たり前と言えば、当たり前。「人間」と一言で言っても、たくさんの人種や文化に分かれていると同じことです。

 しかし、ヒトゲノムが他の哺乳類と違うように、オルタナティブ投資の「ゲノム」は他の類の運用会社とどこが違うのでしょうか。私が考える各オルタナティブ投資の共通点は下記のとおりです。
 ・優秀なマネジャーが
 ・元本リスクを厳正に管理し
 ・現時点と将来の価値観の差異を見極める知識を元に
 ・タイムリーに行動することにより
 ・長期的に
 ・絶対的なリターンを目指すこと。

 なーんだ。当たり前のことじゃないか、と感じる方々が多いと思いでしょう。
 そうなんです。投資家が誰かに自分の大切なお金の運用を任す際に注意してほしい当たり前のポイントと同様なことがオルタナティブ投資における共通点なのです。

 何らかのエッジ(優位性)を持っているマネジャーにお金を任せたいですし、当然ながらお金を減らすことなく、増やしてほしいから手数料や成功報酬まで支払っていますから。

 じゃあ、オルタナティブ投資のどこが「非伝統的」で何に対して「代替的」な投資なの?と思うかもしれません。

 例えば、伝統的な株式投信と比べてみましょう。「ナニナニ戦略ファンド」と輝くテーマの設定とその運用会社の信用力および営業力で莫大な資金が投資家から集まるかもしれませんが、所詮、そのファンドの運用パフォーマンスは、株式市場の全体のパフォーマンスと連動します。

 そして、そのファンドを運用するマネジャーの評価は、市・場・と・比・べ・てパフォーマンスが上がったか、ということが決め手です。要するに市場が下落し、担当するファンドも下落しても、そのファンドのパフォーマンスが市場の指数より良ければ、評価されるんです。マネジャーは市場と比べて「アウトパフォーム」したから満足するかもしれませんが、投資資金が減額した投資家はたまりませんね。これって、当たり前っていえるでしょうか?

 でも、この「相対的」リターンが運用会社、年金や保険における伝統的な評価システムなのです。要するに伝統的運用のパフォーマンスは市場との相関性が高いことです。オルタナティブ投資が目指す運用は、絶対的リターン、そして、市場との非相関性があることです。

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