新興国投資にこんな商品が欲しい ★★★☆☆

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

新興国投資にこんな商品が欲しい ★★★☆☆

 今週月曜日からお休みを取って台湾に行ってきました。ひたすら牛肉麺、小籠包を食べ続け、お茶を楽しみ、台湾のおいしいものを食べて飲むだけの旅行でしたが、大満足でした。

 実は台湾は、投資可能な新興国として、MSCIエマージングマーケッツインデックスに組み入れられている25カ国のうちの1つになっています。このような新興国のインデックスに入っている国といえば、BRICsは当然としてペルー、アルゼンチン、イスラエル、ヨルダン、トルコなど様々です。

 トルコ、ベトナム(インデックスには入っていません)といった日本人にとってイメージしやすい身近な国は個人投資家にも人気があり、単一国に投資を行うファンドもありますが、「知っている」「身近」というキーワードで投資をするのは、日本株の投資と同様落とし穴が待ち受けています。

日本株投資の落とし穴
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/007135.html

■ 外国株式は3つのグループで考える
 外国株式投資を行う場合、まず個別の国の選択をする前にグループ化して、それぞれへの配分を考えるのがロジカルなアプローチです。先進国、BRICs、そしてそれ以外の新興国、という分類です。つまり

海外株式 = 先進国 + BRICs + その他の新興国

というように分解して、それぞれの投資商品を探していけば、自分で組み合わせの比率をコントロールすることが可能になります。

■ 先進国への投資はインデックス型が基本
 1番目のグループ、先進国への投資はインデックスファンドを使うのが基本になると思います。効率性の高い市場と考えられることから、市場平均を上回るアクティブファンドを見つけるのは簡単ではないからです。

 例えばMSCIコクサイインデックスに連動する商品を使えば、日本を除く先進国の株式を時価総額ベースで投資できます。MSCIコクサイに連動する成果を目指す投資信託は何本か存在しますが、連動性がどの程度あるのかを確認する必要があります。

■ BRICsは商品バリエーション豊富
 次にBRICsです。BRICsは商品選択の幅が大きく単一国に投資するアクティブ型ファンドもあれば、BRICs4カ国に分散投資する商品もあります。また香港市場に上場する海外ETFを使えば、中国、インドなどのインデックスに連動した商品を購入することも可能です。

■ 悩ましいBRICs以外の新興国への投資
 問題はBRICs以外の新興国です。これらの新興国は、投資比率を考えれば、単一の国に投資を行うのではなく、「BRICs以外の新興国」としてまとめて投資するのがまずは現実的です。ところが残念ながらこのようにまとめて投資できる商品が見当たらないのです。

 その他の新興国にまとめて投資できる商品が無いとすれば、次善の策としてMSCIエマージングインデックスに連動する商品を使う方法があります。エマージングインデックスの場合、BRICsも一緒になってしまいますが、

MSCIエマージングインデックス = BRICs + その他の新興国

と考えることができますから

外国株式インデックス = MSCIコクサイ + MSCIエマージング

と2つに分けて投資が可能になるからです。先進国と新興国に分けて投資するという整理です。


・・・国内外上場有価証券に関する重要事項・・・・・・・・・・・・・・・ □リスク
・株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動に伴い、株 価や基準価額が変動することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損) が生じるおそれがあります。
・株式の発行者や組入れ有価証券の発行者の業務や財産状況等の変化に伴い、 株価や基準価額が変動することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠 損)が生じるおそれがあります。
・外国為替相場の変動などによりお受取金額が変動し、外貨建てでは投資元本 を割り込んでいなくても、円換算での投資元本を割り込み、損失(元本欠損) が生じるおそれがあります。
□手数料(すべて税込)
【国内株式、ETF、REITなど】
・インターネット・株式売買手数料
<取引毎手数料>
パソコン…約定金額に対し最大0.1575%(約定金額100万円までは1,575円または1,050円)携帯電話…約定金額に対し最大0.105%(ただし最低手数料105円)<定額手数料>
1日何回取引しても2,625円(約定金額300万円ごと)
・コールセンター・株式売買手数料…約定金額に対し最大0.42%(ただし最低 手数料4,200円)
・夜間取引(マネックスナイター)/株式ミニ投資(ミニ株)…株数に関わら ず一約定につき500円
・新規公開株/公募・売出株/立会外分売…購入対価のみで取引手数料は無料 (0円)
【中国株、海外ETF】
・国内取引手数料として、約定金額に対し0.2999%(最低手数料73.5香港ドル) がかかります。
・その他諸経費として、「税金」「取引所手数料」「CCASS決済費用」などの取 引にかかる手数料、「配当金取立料」「現地取扱費用」「株式分割等取得費 用」「有償増資払込権利取得費用」「その他の権利取得費用」などの権利取 得に伴う費用、「強制買収にかかる手数料」などの企業の私有化等に伴う費 用がかかります。
□その他
・お取引にあたっては、「上場有価証券等書面」や「目論見書」をご覧いただ き、取引の仕組みやリスク・手数料等についてご確認ください。
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■ MSCIエマージングインデックスに連動する投資信託
 海外ETFの中にはMSCIエマージングインデックスに連動する商品があります。これを使えば、MSCIコクサイとMSCIエマージングを組み合わせて、海外株式全体をインデックス運用することができます。しかし海外ETFの場合は、1万円からの積立投資はできません。また海外株式を同様、売買時に手数料がかかります。まとまった金額であれば活用できますが、小額で積立といった方法は出来ないのです。

 そこでノーロードで信託報酬が1%程度、1万円から積立もできるエマージングインデックスに連動するインデックスファンドが欲しいと思うのですが、私の知る限り、国内の投資信託では見つけることはできません。

 このような商品が導入されれば、日本株も先進国株式も、そして新興国株式もインデックスファンドで積立をして、ある程度の金額になったら国内外のETFにスイッチするという方法(リレー投資)も可能になります。

■ フルセットのゴルフクラブを使いこなす
 投資商品のラインアップはゴルフのクラブと同じようなものだと思います。パターだけではコースをうまく回れないのと同じで、使う人である個人投資家の立場に立った無駄の無い商品構成が必要です。逆に数を競う必要はありません。パターが5本あっても使うのは一番良い1本だけだからです。

 日本株式の商品は似たような商品が乱立しているのになぜか新興国に関しては、足りない商品が多いのが現実です。

 グローバルな分散投資をしようという個人投資家のためのフルセットをまとめて(しかも低コストで)提供されれば、ゴルフと同じようにスコアがもっと改善できるのです。

 そのためには、そのような商品を使いこなせる個人投資家がもっと増える必要もあります。なぜならたくさんの投資家が活用するようにならなければ、ファンドの残高が積みあがらず、償還してしまう可能性があるからです。グローバル分散投資をする個人投資家がもっともっと増えるように、これからも情報提供を続けていきたいと思います。

・・・投資信託に関する重要事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□リスク
投資信託は、値動きのある有価証券に投資しますので基準価額は上昇することもあれば下落することもあります。従って投資元本および利息の保証された商品ではありません。また、投資信託は商品毎に応じて様々なリスクがあり、以下は一般的なものを示したものにすぎませんので、ご購入の際には「目論見書」で内容をご確認ください。
[価格変動リスク] 組み入れた株式、債券および商品等の変動(組入れ商品が外貨建てである場合には通貨価格の変動も受けます。)に基づいて基準価額が下落することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
[信用リスク] 組み入れた株式、債券および商品等の発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等に基づいて基準価額が下落することより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。[為替リスク] 外貨建て投資信託(外貨建てMMF等)は、外国為替相場の変動などによりお受取金額が変動し、外貨建てでは投資元本を割り込んでいなくても、円換算での投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
□手数料 投資信託取引にあたっては、以下の手数料等をご負担いただきます。・申込手数料…申込金額に対して最大3.675%(税込)
・信託財産留保額(換金時の直接的な負担費用)…約定日、またはその翌営業 日の基準価額に最大2.0%を乗じた価額
・信託報酬(保有期間中の間接的な負担費用)…純資産総額に対して最大2.10% (年率・税込)
・運用成績に応じた成功報酬やその他の費用を間接的にご負担いただく場合も あります。
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今回の話のまとめ---------
■ 外国株式の投資は3つの投資先に分類して考える
■ 新興国投資は使える商品が少なく、理想の投資が実践しにくい
■ エマージングインデックスに連動するインデックスファンドが必要

ではまた来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見とは必ずしも一致しません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp

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・・・重要事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※本案内に記載のセミナーでは、セミナーでご紹介する商品等の勧誘を行うことがあります。これらの商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。商品毎に手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客様向け資料をよくお読みください。
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