第77回 2015年上半期のJ-REIT価格動向とその要因 【J-REIT投資の考え方】

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第77回 2015年上半期のJ-REIT価格動向とその要因 【J-REIT投資の考え方】

J-REIT価格は、軟調な展開が続いています。東証REIT指数は6月4日に1,850ポイントを割り込み、6月29日には取引時間中ですが1,800ポイントを割り込む局面もありました。このような地合で6月30日に上場したサムティ・レジデンシャル投資法人(証券コード3459)の初値は99,000円と、公募価格102,000円を下回る結果となりました。
日銀は東証REIT指数が取引時間中に1,800ポイント割れとなった6月29日及び7月1日に13億円の買入れを行ない、J-REIT価格の下支えをしています。しかし、買入れ金額から見て、下支え効果は限定的ですので当面は1,800ポイントを終値ベースでも割り込む可能性が高くなっていると考えられます。

さて今回は、7月最初の連載となりますので上半期のJ-REIT価格の動向について記載して行きます。東証REIT指数は14年末の1,897.92から6月末に1,803.13ポイントまで5%ほどの下落となりました。年末の東証REIT指数値を100とすると、図表1の通り1月中旬までの大幅上昇から下旬にかけて下落した後は、5月下旬までは騰落を繰り替しながらボックス圏で推移していました。しかし6月は下落基調が続いたため、下旬からは年初来安値を更新する展開となりました。

株式市場は順調に上昇していますが、J-REIT価格が冴えない値動きになっている要因は、外国人投資家の大幅な売り越しにあります。本稿執筆時点で開示されている1月から5月までの差引き売買金額を見ると、2015年は外国人投資家が2月から5月まで4ヶ月連続で大幅な売り越し主体になり、月平均で200億円以上の売り越しを行っています。
ただし、外国人投資家の6ケ月平均の差引き売買金額の推移を見ると14年1月、2月にも15年5月と同様に150億円近い売り越しになっていました。従ってオフィス市況の回復で分配金の増加基調が明確になるか、日銀の第三弾となる金融緩和など外国人投資家の「買い」材料が生じれば、J-REIT価格は回復に転じるものと考えられます。
個別銘柄の値動きに目を移すと、ホテル系銘柄の値動きが順調です。15年上半期に最も価格が上昇した銘柄は、30%近い上昇となったインヴィンシブル投資法人(証券コード8963)でした。

この銘柄は総合型銘柄ですが、13年12月期末時点で保有していなかったホテルの比率が15年2月末時点で全用途中最大の44.7%まで増加しています。実質的なスポンサーである外資系ファンド会社であるフォートレスからホテルを積極的に取得することで保有物件の利回り(※1)が13年12月期の5.2%から15年2月時点では6.0%に改善を示しています。
その他、ホテル特化型である星野リゾート・リート投資法人(証券コード3287)は全体4位の7%近い上昇、ジャパン・ホテル・リート投資法人(証券コード8985)は全体6位の6%近い上昇となっています。ホテル系の銘柄は増資の効果もあり、分配金が順調に上昇しているだけでなく、投資家が今後の分配金上昇の期待を持ちやすいことが価格上昇の要因となっているようです。

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※1:NOI利回り(【賃貸事業利益+減価償却費】÷取得額)を指す。

コラム執筆:アイビー総研株式会社 関 大介

<本内容は、筆者の見解でありアイビー総研株式会社及びJAPAN-REIT.COMを代表したものではありません。個別銘柄に関する記載がある場合は、その銘柄の情報提供を目的としており、お取引の推奨及び勧誘を行うものではありません。また執筆時点の情報を基に記載しております。>

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