第135回「主要なアセットクラスを揃えた新規上場のETF」 ETF解体新書

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第135回「主要なアセットクラスを揃えた新規上場のETF」 ETF解体新書

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。お金を長期で運用する際に、何より心掛けるのはリスク分散ではないでしょうか。異なる複数の資産を保有する、各資産について、国・地域をできるだけ広く捉える。昨年12月11日に国内市場に上場した6本のETFは、ポートフォリオ運用を行う際、基本のアセットクラスと認識されるものばかりです。6本のETFはいずれも「NEXT FUNDSシリーズ」となります(NEXT FUNDSとは、野村アセットマネジメントが運用を行うETFのブランド名です)。具体的なアセットは、国内債券、外国債券、外国株式、外国REITとなります(外国債券と外国株式については、為替ヘッジありとヘッジなしの両方あり)。

・外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2513)

・外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信(2514)

・外国債券・シティ世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2511)

・外国債券・シティ世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信(2512)

・外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2515)

・国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)

まず特筆すべきは、本邦初となる国内債券ETFでしょう。当該ETF(2510)は「NOMURAボンド・パフォーマンス・インデックス」(NOMURA-BPI総合)との連動を目指します。同指数は10月末時点で国債が約8割、残りは地方債、政府保証債、金融・事業債などで構成されています。超低金利のため、同ETFからの期待リターンはきわめて低いものの、国内債券というアセットが揃うことで、年金基金などの資金流入も期待できるかもしれません。また、国内債券はポートフォリオにおいて、暴落が起きた際に資産を守る「防波堤」の役割を担います。

次に、外国REIT(先進国REIT)を網羅するETFも初めての上場となります。このETF(2515)と「東証REIT指数連動型上場投信」(1343)をあわせて保有すれば、計16ヵ国のREIT市場に広く投資が行なえます。外国債券(先進国債券)については、既存のETF「上場インデックスファンド海外債券(Citi WGBI)毎月分配型」(1677)がありますが、売買単価が高いのが難点でした。また、外国株式(先進国株式)をはじめ、今回上場する6本のETFはいずれも信託報酬が0.1%台であり、ETF銘柄群の中でも極めて低いコスト体系となっています(国内債券ETF(2510)については、新発10年物国債の利回りが1.0%未満の場合、年0.0756%(税込)となります)。国内の証券取引所で、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内REIT、先進国REITという、基本アセットクラスのラインナップが揃ったことは重要であり、投資家は高度な分散を施した資産配分をETFのみで構築できることになります。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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