第291回 大手金融機関の予想に振り回されるな【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第291回 大手金融機関の予想に振り回されるな【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

12月から年明けにかけては大手金融機関が1年のマーケット予想を公表し話題となります。ゴールドマン・サックスは今後数カ月の為替見通しでユーロ/ドルで1ユーロ=1.20ドル、ドル/円は1ドル=120円になるとの予想。これを掛け合わせるとユーロ/円の目標価格は1ユーロ=約140円となります。一方で、モルガン・スタンレーはドル/円相場の見通しを105円と予想していて、ゴールドマン・サックスと真逆なのが興味深く、2018年のドル/円相場の見通しには、今のところ一致したコンセンサスがないようです。

年明けにも様々な金融機関から2018年の予想が発表されることと思いますが、どこの予想が当たりそうだ、などと言って、その予想を軸に年間の戦略を組み立てることはお勧めしません。というより、気の早い向きがその予想を先取りする形でポジションを構築するため、年明け早々にその目標に到達してしまうことも珍しくありません。特に12月に予想を出すゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの予想は例年注目度が高く、クリスマス明けからいち早く新年相場に入る海外勢によって、年明けから春先にはターゲットを達成するようなトレンドが形成されることが多く、正月明けから彼らの予想を検証し1年の戦略を構築するのでは遅すぎるのです。毎年必ずそうなるということではありませんが、ディールの種、アイディアがあれば、瞬時に飛びつくのが為替市場。最近はAIが大きなテーマのトレンドの消化を早めている傾向があり、材料を消化するスピードがあまりに早いのが昨今の相場の特徴です。故に材料、テーマがない相場となると途端に動意に欠いてしまい、レンジ相場が長期化するという構造となっています。

重要なことはトレーダーにとって相場の高値安値など1年の相場を予想することには意味がないということ。何か大きなテーマができた時、いかにその値動きについていけるかが問われるのです。トランプ大統領誕生はあり得ない、もしトランプ大統領が誕生したらマーケットは暴落だ、というような予想が蔓延した2016年、その事前予想に従ったトレーダーは惨敗を喫しました。2017年年初は、フランス大統領選挙やドイツの議会選挙などが予定されていたことからEU崩壊のリスクが指摘され、大手金融機関各社がユーロ/ドル相場のパリティ(1ユーロ1ドル)までの下落を予想していましたが、実際にはユーロ/ドルの安値は2017年1月3日。2016年の11月~12月、金融機関らが翌年のユーロ下落を予想しているころにユーロは下落を極めてしまっていたのです。決め打ちの予想がいかに危険か、ということを思い知らされる値動きでした。

選挙などの政治、有事勃発など大きなサプライズが発生した時には、リスクポジションをコントロールして「値動きについていくこと」が重要。2018年の場合、北朝鮮、中東などの有事のリスクが想定されていますが、もし現実となった場合でも、ドル/円を売ると決め打ちするのではなく、ボラティリティに駆られてしまうような大きなポジションを持たずに、トレンドが確認できるならその方向についていくという姿勢でいることが、勝ち組の条件です。個人的には、2017年のドル/円相場の値動きがあまりに小さかったことから、2018年はトレンドができれば一方向に大きく動く可能性があると思っているのですが、これもトレードに於いては、この考えに縛られることがないように心がけるつもりでいます。皆さんも、2018年、大手金融機関や著名アナリストの予想に縛られぬようにしてくださいね。
本年も、コラムをご愛読いただきましてありがとうございました。良いお年を!
コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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