世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
先週に引き続き、今週も米国の経済指標がテーマとなりますが、今回はこれら経済指標の見方のコツ、留意点についてお伝えしたいと思います。
まず、同じ一つの統計数値でも、景気サイクルのひとつの側からは肯定的な見方ができる反面、違う側からみれば否定的な見方もできる、ということを憶えておいて下さい。
例えば、在庫の増加は、将来企業成長を期待する楽観論の表れとして、経済成長の初期段階では歓迎されます。しかし、数年後には、それが従業員解雇を引き起こし、経営の悪化を招く過剰生産の表れとしてみなされるかもしれないというネガティブな要因も同時に含んでいます。
また、投資する商品によって、統計結果からの影響が全く反対のものになることがあります。例えば自動車販売台数の減少という統計結果は、債券投資家にとっては良いニュースでも、株式投資家にとっては悪いニュースとして捉えられるかもしれません。債券投資家は、自動車の販売台数が減少すれば、インフレや高金利の心配がなくなると考え、逆に自動車販売会社の株主は、保有する株から得られる利益や配当が少なくなることを憂慮するかもしれないからです。
次に、たとえ最良で最も慎重に集計されたと言われる経済指標でも、その評価方法やサンプリング技術には何らかの間違いが起こりうることを心に留めておいてください。
多くの統計結果が、報告された当初から数週間あるいは数ヶ月後に大幅に修正されるのをご存知でしょうか。また、各指標にはそれぞれ癖ともいうべき特性があり、評価の際にはそれらを考慮に入れる必要があります。一国の経済は、大きくて複雑すぎるので、特定の分野だけを、ピンポイントの正確さで測定することは事実上不可能だといえるでしょう。
さて、最後に覚えておいていただきたいことは、景気の転換時のマネー・サプライ統計や雇用統計に注目している時の金融市場はとても不安定になるということです。市場は統計レポートの特定の数字だけでなく、それらの数字がどれだけ期待値に近いかということにも反応します。そのレポートが経済や金融市場をどれだけ正確に捉えているか、またそれらが何を示唆しているかについて、投資家はある程度疑ってみる必要があるといえそうです。
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