世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
多くの投資家がこの債券相場があとどのくらい続くのか疑問に思っているのではないでしょうか。これまで金利の動きに関してはさまざまな推測がなされ、かつて例を見ない額の資金が債券ファンドへ流れています。ここでは、今週と来週の2回にわたり、米国を例に債券相場についてお話ししてみたいと思います。
バンガードの債券運用グループのポートフォリオ・マネージャー、ケネス・ボルパート氏はこの状況に関して次のように述べています。「1990年代の後半から2000年の初頭まで、実に多くの資金がテクノロジー株へ流れました。今の債券は、このテクノロジー・バブルと逆の状態といえるでしょう。つまり、単にアセットクラスが違うだけで、本質的には同じなのです。」
最近の米国債券のパフォーマンスを理解するためには、ここ2、3年を振り返ってみる必要があります。2001年、米国連邦公開市場委員会によって異例ともいえる11回もの金利引き下げが行われ、短期金利は著しく下がりました。一方、長期金利はほとんど変動しませんでした。しかし、昨年、経済回復の見通しが薄いことが明白になると、中期債と長期債の利回りも同様に低下し始めました。
債券の利回りと債券価格は逆の動きをするため、利回りが低下すると債券価格は上昇します。これは、株式の下げ相場において債券のパフォーマンスの向上をもたらしました。昨年の米国債券市場の代表的な指標であるリーマン・ブラザーズ・アグリゲイト・ボンド・インデックスのリターンは10.26%でしたが、株式指標のS&P500インデックスは-22.10%でした。過去3年でみても、リーマン・ブラザーズ・アグリゲイト・ボンド・インデックスのリターンは年率平均10.10%、S&P500インデックスは年率平均-14.55%という結果でした。
ボルパート氏によれば、「現在は過去40年間で最も金利が低いため、長い目でみると今後は金利が上昇し、それに伴い債券価格が下落する方向に向うと考えるのが妥当でしょう。」「利回りが低く、財務省証券(米国債)のデュレーションが長くなったため、現在の債券市場はリスクが高くなっています。デュレーションは金利の変動に対する債券価格の変動性を表しています。例えば、現在の10年ものの米国中期国債は利回りが低くデュレーションも長いため、1981年発行の30年ものの財務省債(利回り15%、デュレーションも短い)よりもリスクが高いといえます。」「現在の利回りは非常に低いので、金利が上がったときに債券価格の下落分を相殺できる利息収入を得ることは難しいでしょう。」とボルパート氏は指摘します。実際、1994年や1999年に見られたように、今年金利が上がれば債券ファンドで高いリターンを得ることは難しくなるでしょう。
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