DeepMacro FXストラテジー

チーフ・ストラテジスト 広木 隆が、米国のリサーチ会社DeepMacro社の通貨モデルに基づき、為替の見通しをお伝えします。

広木 隆が投資戦略の考え方となる礎を執筆しているコラム広木隆の「新潮流」はこちらでお読みいただけます。

広木 隆 プロフィール Twitter(@TakashiHiroki)

DeepMacro FX-1 本格的なリスク回避モードには至らず それでもリスクオフ地合いの恩恵を受けやすい円を最大のロングに

DeepMacro

FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 12 Feb 2018

「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す

現在のポートフォリオ
(Feb 12)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スェーデンクローナ
SEK
成長要因 -5.7 +19.0 +4.1 -12.5 -13.5 +9.0 +14.6 +10.8 -10.8
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.2 -2.6 +8.8 -10.7 -6.3 -19.0 +10.6 +19.0 +14.8
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +3.8 -4.5 -3.5 +6.3 +5.4 +2.7 -6.9 -21.1 -1.1
最終ウェイト -10.2 +11.9 +9.3 -16.9 -14.4 -7.3 +18.3 +8.7 +2.9

ネットUSD(米ドル)ウエイト: -2.4

前回のポートフォリオ
(Feb 05)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スェーデンクローナ
SEK
成長要因 -8.2 +20.4 +6.1 -14.2 -16.8 +8.8 +15.8 +7.6 -2.1
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.2 -2.6 +14.6 -10.6 -6.2 -18.6 +6.2 +18.6 +14.5
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +6.1 -6.6 -7.7 +9.2 +8.5 +3.6 -8.1 -18.6 -4.6
最終ウェイト -10.3 +11.2 +13.0 -15.6 -14.5 -6.2 +13.9 +7.6 +7.8

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-6.9

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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PORTFOLIO OVERVIEW(12 Feb 2018)

株式市場の混乱が始まって以来、FX-1ポートフォリオのパフォーマンスはどうであったかというと、わずかにプラスである。前回の雇用統計の発表日前日から直近まで約0.1%のプラスであった。とりたてて言うほどのものではないが、少なくともマイナスにはなっていない。

FX-1のシステムには「グローバル・リスク・インデックス (GRI)」というファクターがある。GRIは市場リスク、銀行の資金調達リスク、信用リスク、流動性リスクといった様々なリスクを捉える変数の平均値である。

GRIがある一定の閾値を超えると FX-1は「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨にシフトする。リスク回避の状況下では、投資家はキャリーにも、グロースにもバリュエーションも関係なく、ひたすら 資金を引き揚げようとする。これまでのところGRIの株式ボラティリティのコンポーネントだけは急激に上昇しているものの他のコンポーネントはそうでもない。よってGRIファクターはまだ点灯しておらず、FX-1は本格的なリスクオフ・モードにはなっていない。

ポートフォリオはドルを若干ショートしていた。円を除いてドルが全通貨に対して上昇しても、ポートフォリオはしっかりしていた。これは円を大幅にロングしていたおかげである。またポートフォリオでショートしていた通貨に対してドルが大きく上昇したこともプラスに働いた。

今週についてはドルのショートを削って実質的にニュートラルにした。最大のロングはリスク回避的になった市場から恩恵を受けやすい円である。上述した通り、まだ本格的にセイフ・ヘイブンにシフトするようなリスク回避モードでないとしても、円はやはり恩恵を受けるだろう。

DeepMacro

DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明

概要

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。

キーファクター:

成長要因:

強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。

キャリー:

高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。

バリュエーション:

割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。

グローバル・リスク:

投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。

ポジション調整:

モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。

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