グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)
前回、一般的なイールド・カーブ戦略についてお話しましたが、今回はブラックロックのイールド・カーブ戦略についてお話します。
ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」では、「金利リスク」をコントロールするため、保有する債券の償還までの期間を調整するといった伝統的戦略に加え、イールド・カーブ、セクター間、個別銘柄間の相対的な価格の歪みに注目し、これが収斂される過程を収益機会とするといったレラティブ・バリュー(相対的価値)戦略も採用しています。
伝統的戦略とは、金利リスクのコントロールを目的としたデュレーション戦略や、国別及び通貨別の投資機会を超過収益の源泉とするものです。
一方、レラティブ・バリュー(相対的価値)戦略とは、利回りカーブ、セクター間、個別銘柄間の相対的な価格の歪みに注目し、これが収斂される過程を収益機会とするものです。
伝統的戦略では、どうしてもマクロ経済や需給の動向など定性的な分析に依存する部分が大きくなるので、相場動向を見誤ったときには大きな損失を被る場合があります。
したがってブラックロックでは、金利・為替についての相場観に過度に依存しない投資機会や、計算可能なレラティブ・バリューに基づく投資機会など、多種多様な投資機会を積み重ねていくことにより、安定した超過収益をあげることが可能であると考え、こういった運用ノウハウの蓄積を図ってきました。
ブラックロックのレラティブ・バリュー運用は1996年7月に運用を開始しており、10年を超えるトラックレコードを有しています。
このレラティブ・バリュー運用の中のイールド・カーブ戦略は、イールド・カーブの傾き・形状の変化に注目した運用です。
イールド・カーブはMBS(モーゲージ証券)のヘッジや需給要因などを要因として歪みが生じることがあります。
本コラム第8回の『資産担保証券とそれに伴う期限前償還リスク』でもお話しましたが、MBS(モーゲージ証券)は普通の債券とは金利動向に対する価格への感応度が異なり、金利が低下したときには普通の債券より価格の値上がりが少なく、金利が上昇したときには普通の債券より価格の下落が大きくなるなど、通常はネガティブに作用します。したがって、金利リスクをヘッジしている投資家にとってはヘッジの調整が必要で、このヘッジ・オペレーションが債券市場の混乱の要因となる場合があります。
一例を挙げますと、MBSでは金利が上昇すると期限前償還が減少するので、デュレーションが長くなります。したがって、金利上昇に伴う価格下落が普通の債券と比較してMBSの方が大きくなることから、金利リスクをヘッジしているMBSの投資家は、金利上昇時(価格下落時)においてさらに売り増しを行おうとするので、イールド・カーブに歪みが生じることがあります。
また、ある年限の債券に大量に売りが出た場合にも一時的にイールド・カーブに歪みが生じることがあります。
こうした歪みに対して、例えば、モデル上で5年債が割高、10年債が割安という判定が出た場合に、5年債のショート(売り)、10年債のロング(買い)ポジションを取り、裁定が働いて適正なイールド・カーブの形状に戻るのを待つことになります。そして裁定が働いて適正なイールド・カーブに戻ったときに、取ったポジションの反対売買を行うことで収益を取ることになります。
このようにイールド・カーブの年限の相対価値の割安と割高を判断して裁定取引(アービトラージ)を行うことで収益を得る運用をイールド・カーブ戦略といいます。
皆さんの資産運用に、こうしたブラックロックの外国債券運用のノウハウがお役に立てればと考えています。
次回は、個別銘柄選択、セクター選択戦略についてお話します。
※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ ファンドの基準価額は、組入れられている有価証券の値動きの他、為替変動 による影響を受けます。したがってファンドの投資目的が確実に達成される ものではなく、元金および元金からの収益の確保が保証されているものでは ありません。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債 投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先 物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する 項目をご覧ください。
□手数料等
・申込手数料(税込):1.05~0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しく は投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目 をご覧ください。
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マネックスからのご留意事項
「ブラックロックが語る、資産運用の全貌」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
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