グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)
前回Vol.14の繰り返しになりますが、ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」では、「金利リスク」をコントロールするため、保有する債券の償還までの期間を調整するといった伝統的戦略に加え、イールド・カーブ、セクター間、個別銘柄間の相対的な価格の歪みに注目し、これが収斂される過程を収益機会とするといったレラティブ・バリュー(相対的価値)戦略も採用しています。
伝統的戦略とは、金利リスクのコントロールを目的としたデュレーション戦略や、国別及び通貨別の投資機会を超過収益の源泉とするものです。
一方、レラティブ・バリュー(相対的価値)戦略とは、利回りカーブ、セクター間、個別銘柄間の相対的な価格の歪みに注目し、これが収斂される過程を収益機会とするものです。
前回、このレラティブ・バリュー運用の中のイールド・カーブ戦略についてお話しましたが、今回はその中で、セクター戦略と個別銘柄選択についてお話します。
セクター戦略とは、US・ユーロ債券ファンドの米ドル建て債券の投資対象となっている、国債、政府機関債 モーゲージ債、投資適格債、CMBS債、ABS債などのセクター間のスプレッドの変化を予想し、これらのセクターの構成比をコントロールすることによって、ベンチマークに対する超過収益を得ようとするものです。
昨年の12月のセクター間のパフォーマンスを見ますと、モーゲージ債、投資適格債、CMBS債などの収益が国債を上回る一方、ABS債が国債を下回る結果となっています。このように、セクター選択がパフォーマンスに影響を与えるので、セクターの構成比をコントロールすることが重要となります。特に、昨年のサブプライムローン問題に端を発した信用収縮の動きを受け、市場の変動性が高まったことから、質への逃避から国債の選好度が高まったことに代表されるように、セクター選択がパフォーマンスに大きな影響を与えたと考えられます。
また、投資適格債にはサブ・セクターとして、業種の判断があります。どの業種の社債を選択するかによってパフォーマンスに違いが出ることがあります。
次に、個別銘柄選択については、個別銘柄毎のスプレッドの変化を予想し、銘柄選択を行うものです。
個別銘柄選択についてモーゲージ・セクターを例に取りますと、モーゲージ証券は期限前償還リスク(同リスクの詳細はVol.8をご覧ください)があるので、信用力が高いにもかかわらず、比較的利回りが高いという性質があります。 モーゲージ証券の担保となっている住宅ローンの債務者は、様々な理由で期限前にローンの返済を行うことがありますが、それを決めるのはローンの借り手側ですから、いつ、どの程度の期限前償還があるのかは分かりません。そして、期限前償還された場合には、投資家は償還されたお金を再投資する必要があります。通常は金利が下がると、ローンの借主は安い金利のローンに借り替えようとするので、投資家にとっては当初よりも低い金利で再投資しなければならなくなります。
さらに、金利が低下すると借り換えが増えるために期限前償還が進むのでデュレーションが短くなる一方、金利が上昇すると期限前償還が減少するのでデュレーションが長くなる特性があります。
したがって、銘柄選択を行う場合には、期限前償還リスクを考慮して、モーゲージ証券のクーポンや残存年数などから割安・割高を判断することが重要になると考えます。
ブラックロックの「US・ユーロ債券ファンド」では、このようにセクター間や個別銘柄間の相対的な価格の歪みに注目し、それを超過収益の源泉とする戦略も採用しています。
次回は、債券相場のポイントについてお話します。
※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ ファンドの基準価額は、組入れられている有価証券の値動きの他、為替変動 による影響を受けます。したがってファンドの投資目的が確実に達成される ものではなく、元金および元金からの収益の確保が保証されているものでは ありません。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債 投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先 物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する 項目をご覧ください。
□手数料等
・申込手数料(税込):1.05~0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しく は投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目 をご覧ください。
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マネックスからのご留意事項
「ブラックロックが語る、資産運用の全貌」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。