グローバルな資産運用、リスク管理および投資顧問サービスを提供している資産運用会社、ブラックロックが、その運用手法をつまびらかにします。(現在は更新しておりません)
今回は、足下の債券市場で起こっている事柄を例にとって、債券投資のポイントをお話します。
昨年の夏場に顕在化したサブプライムローン問題に端を発した信用収縮の動きは、一向に衰える気配を見せず、いまだに尾を引いています。
世界の金融市場では、リスクに敏感となった投資家が低格付けの債券や証券化商品を敬遠するようになりました。こうした状況を受け、債券市場では、これら信用リスクの高い債券は需給が悪化したことに伴って利回りが急上昇(価格は下落)する一方、信用リスクの低い債券へのシフト、いわゆる“質への逃避”が起こり、米国債や高格付け債券の利回りが低下しました。
その結果として、低格付けの債券や証券化商品などと、米国債との利回り格差は大幅に拡大しました。
具体的な例を挙げますと、2007年6月末の10年米国債の利回りは5.02%でしたが、リスク資産から安全資産へのシフトの動きを受け、1月末には3.59%まで1.43%利回りが低下しました。一方、格付けの低い、信用リスクの高い社債の動きを見ると、格付けがBマイナスである、GM(ジェネラルモータース)が発行体となっている残存年数約8年(クーポン7.7%)の社債の利回りは、同じ期間内で8.95%から10.57%に1.62%利回りが上昇しています。
すなわち、2007年6月のGMと米国債の利回り格差は3.93%でしたが、2008年1月の利回り格差は6.98%であり、3.05%利回り格差が拡大したことになります。
これを価格で見ると、GMの場合には6月末の92.50から本年1月末の84.50に8ポイント単価が下落したことになります。一方、10年国債は88.19から99.25へ約11ポイント上昇したことになり、2007年6月から2008年1月の7ヶ月間で両者の収益に大きな違いが出ました。
市場では、米国景気が今後も低迷し、リセッション(景気後退)に陥るのではないかといわれています。市場が予想しているように米国がリセッション入りすると、一般的には企業の業績が悪化し、それに伴い企業の財務体質も悪くなると考えられますので、過去には社債の利回りと国債の利回りの格差は拡大する傾向にありました。一方、米国がリセッションを回避し、景気が回復しますと、逆に企業の業績が改善し、企業の財務状況が良くなると考えられますので、過去には国債との利回り格差は縮小する傾向にありました。
このように今回のサブプライムローン問題の中にあって、低格付け社債については景気の悪化が発行体の財務状態の悪化を招いて、信用リスクが増大するとの懸念から利回りが上昇(価格は下落)するなど、格付けが低いものほど企業の業績や財務内容に左右されるといった面で株式的な要素が多く含まれていると考えます。一方、高格付け社債については、国債との利回り格差は拡大したものの、国債と同様に社債の利回りは低下したものもあります。
また、今回の証券化商品の大幅な価格下落要因の一つに、買い手がいなくなったことによる流動性の枯渇が挙げられ、流動性がない中で損失拡大を回避しようとする投資家の売却の動きが、価格下落に拍車を掛けたと考えられます。
債券投資において重要なことは、将来金利がどのように動くかの見通しを立てる上で、金利を決める要因となると考えられる、景気動向、為替動向、金融政策、市場の需給バランスなどを見極めることに加え、低格付けの債券は信用リスクが高いので、景気の動向や発行体の企業の財務状況に留意する必要があります。また、証券化商品などは、一般的には流動性が低いと考えられますので、発行量など流動性も考慮することが必要です。
そこでブラックロック・US・ユーロ債券ファンドでは、国債は流動性があり、信用リスクも低いといった利点がある一方で、利回りが低いことになりますので、国債だけではなく社債を含め様々な債券に投資し、それらに係る様々なリスクを考慮しつつ、より高いリターンを目指しています。
次回は、ブラックロック・US・ユーロ債券ファンドの為替効果についてお話します。
※「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」はマネックス証券でお申込みいただけます。
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=++0035070000
投資信託をお申込みの際には、「目論見書」にて詳細をご確認ください。
・・「ブラックロック・US・ユーロ債券ファンド」に関する重要事項・・・・
□リスク
・ ファンドの基準価額は、組入れられている有価証券の値動きの他、為替変動 による影響を受けます。したがってファンドの投資目的が確実に達成される ものではなく、元金および元金からの収益の確保が保証されているものでは ありません。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因としては、「固定利付債および変動利付債 投資のリスク」「為替変動リスク」「期限前償還リスク」「オプション、先 物、その他投資手法のリスク」「ファンド運営上のリスク」などがあります。・ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)本文の「投資リスク」に関する 項目をご覧ください。
□手数料等
・申込手数料(税込):1.05~0.525%
・解約手数料:0%
・信託財産留保額:ありません
・信託報酬(年率・税込): 純資産総額に対して 1.0395%
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用があります。詳しく は投資信託説明書(交付目論見書)本文の「手数料(費用)」に関する項目 をご覧ください。
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