退職後資金 ― いざ、貯めん(4)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

退職後資金 ― いざ、貯めん(4)

これから円がどうなるか、ドルもユーロも読めないからこそ、退職にむけてのお金に外貨を入れようというのが、前回の提案だった。日本は輸入大国だし、世界の経済はつながっているし。

では、どうやって外貨を買ったらいいか。外貨を買う鉄則は、次のとおりだ。
1、一度に買わない
2、手数料をできるだけ安くおさえる
3、長〜く持つ

外貨というとその通貨が「安いときにパッと買い、高くなったらパっと売る」と思いうかべる人が多い。でもそれでは、たまに(運良く)もうかることはあっても、資産づくり退職資金づくりにはならない。予想は当たりつづけない。短期でしょっちゅう売買すると、為替手数料(円を外貨に、外貨を円に交換するときにかかる手数料)がかさむので、期待できるリターンよりも、リスクのほうがずっと大きくなってしまう。くりかえしているうちに、どんどん損がふくらむのがオチだ。金融機関は手数料収入でホクホクですけど。
 
株と同じで、外貨も手数料を小さくする工夫が欠かせない。10%の利益が出たとき、2%の手数料がかかれば手取りは8%だが、0.5%なら9.5%。利益が1%のとき、手数料2%なら手取りはマイナス1%だが、手数料0.5%ならわずかにプラスになる。つみ重なるとこの差は大きい。長く持つことは、手数料の負担を小さくすることになる。

また、債券や預金なら、内外の金利差(海外の金利が高い時)の恩恵を複利でうけられるので、為替の損がでてもある程度カバーできる。金利差が3%なら、10年後に約30%の円高まではたえられる(元本割れにならずにすむ)。為替のリスクが小さくなるということだ。

つまり、くりかえしになるが、外貨を買う基本は、
「手数料の安いものを、少しずつ買って、長く持つこと」。
外貨預金よりも、いっぱんに外貨MMFの方が手数料が安い。だから外貨預金よりは、「外貨MMF」で「自動積み立て」をするのは、理屈にあっている。手数料は銀行や証券会社でかなり差があるので、よく調べたい。商品や金融機関によって「口座管理手数料」などがかかることもあるので、これも見逃さないように。

ただし、内外の金利差が小さい今(MMFの場合ドル約0.7%、ユーロ約1.9%)預金や短期運用型のものでは、長期で持っても為替リスクはそう小さくならない。外貨に投資するなら株式や債券を取り入れないと面白くない(せっかく外貨に投資するメリットは小さい)と、個人的には考えている。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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