20代からの差をつけるマネープラン(17)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(17)

○外貨・外国に投資するときは、ここに注意(1)

 前回まで、長期で殖やすために、外国の債券や株式を積極的に取り入れていこうという話をしてきた。20代から少しずつでも外国モノ、外貨モノに投資をしていけば、為替相場の動きも、アメリカやヨーロッパの経済の動きも、それが自分のお金と直接つながってくるので、リアルに体験できることになる。 この体験は、仮に投資で損をしたとしても、減ることも失うこともない自分の財産となる。もちろん儲かった上で体験の財産をつくれるのが理想だけどね。
 ここで、外国や外貨に投資するときの注意を、まとめてみたい。

1、5年以上運用できる資金で

 外国や外貨への投資は、必ず価格変動のリスクがある。
 それは、なんとなく安全なイメージがある「外貨預金」でも同じで、為替の動きによっては3割以上損する可能性もある。
 だから、数ヵ月後や数年後に使い道が決まっているお金で、外貨投資、外国投資をするのは危険。為替やそのほかの理由で値段が下がっているときに、お金が入用になれば、困ったことになる。
 5年以上運用できるお金で投資し、使う時期の3年くらい前までには、安全な資産にシフトするのがセオリーだ。 

2、リスクの種類を知る

 投資をするとき大切なことは、投資のリスクを知ることだ。
 外国や外貨に投資する商品にはすべて(為替ヘッジがついてないかぎり)「為替リスク」がある。為替リスクとは、投資した後に円高になることによって損(為替差損)がでることだ。 
 これは、外国株や外国債券に投資する円建ての投資信託でも同じなので、注意したい。
 円建ての場合は、それぞれの商品のその通貨ベースでの価格が円に換算されて表示されるが、やはり円高で損になる。
 それに加えて、商品によって別の種類のリスクが加わる。

 外貨建て債券や、それに投資する投資信託には「金利リスク」がある。 その国の金利が上がることで、債券の価格が下がることで、残存期間が長い債券ほどそのリスクは大きい。一方、組み込まれている債券の期間が短い外貨MMFなどは、そのリスクはほとんどない。
 個別の外貨債券には、金利リスクに加えて「信用リスク」がある。債券を発行した機関が債務不履行になることで、投資額の一部または全額が戻ってこない可能性のことだ。
 これは、購入するときに債券の格付けをチェックすることで対応できる。評価がBBB以上なら安全といわれている。

 外国株やそれに投資する投資信託には「株価リスク」がある。株価が上がれば利益が出、下がれば損が出るというリスクだ。個別の株のリスクは、投資信託のリスクより大きい。
 また、個別の株には、上場廃止や倒産などの「信用リスク」もある。

3、手数料を知る

 外貨建て商品を買うときは、原則として為替手数料がかかる。
 銀行で外貨預金をするときは、預け入れ時のレート(TTS)、引き出し時のレート(TTB)して表示されるので、為替コストを意識しない(かからないと思っている)人も少なくない。
 ふつう都市銀行では、米ドルの場合で1ドルあたり往復(円→米ドル、米ドル→円)2円の手数料がかかる。1ドル=109円とすると、1.8%以上の手数料だ。これだけの手数料を払っても、納得できる「期待リターン」があるかどうか、よく見極めたい。

 外貨債券や外国株式、外貨建て投資信託を買うときも、為替コストがかかる。 これらは、証券会社によって違うので、調べて比べよう。同じ商品、似た商品なら、手数料が安いほど、実質の利回りが高くなる。

 証券会社によって、外貨建ての証券(投資信託を含む)を売買するために、「外国証券取引口座」を開かなければならないことがあり、口座管理料が年数千円かかる場合もある。手数料ではないが、このコストも要チェックだ。10万円分の外貨建て債券を買って、年4%(税引き後3200円)の利息を受け取っても、年3150円の口座管理料がかっては見合わないことになる。

 このほかにも、しくみ(特にデメリット)を十分理解する、リスクとリターンが見合っているかをチェックすることが大切。これらの点については、次回見てみよう。

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