お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
○外貨・外国に投資するときは、ここに注意(2)
殖やすためには、外貨での運用を加えてパワーアップするのがポイントだ。 そのためには、
1)5年以上運用できる資金で
2)リスクの種類、特徴を知って
3)手数料を調べ、比較する。
ことが大切だと、前回説明した。今回はそのつづき。
4)しくみを十分理解すること
外貨ものにも、以前からあってシンプルな商品――外貨預金、外貨MMF、外国債券、外国株などと、最近登場して、しくみが複雑な商品―― 特約(条件)付外貨預金、外貨証拠金FX、外貨建て保険などがある。
外貨建てのものに投資するには、円を外貨に替え、外貨を円に替えるという日本の商品にはないアクションと手数料が加わる。税金の扱いも国内のものとは微妙に違う。
だから初心者はまず、シンプルな商品のしくみをきちんと理解し、体験してみよう。また、外貨MMFを始める前に円のMMFを、外国債券を買う前に国内の債券を、外国投資信託に買う前に日本の投資信託を経験することも必要だと思う。
しくみが複雑な商品(前出)については、ふつうの人は手を出さなくてもいいと思う。その仕組み、メリット・デメリットをきちんと理解して投資でき、十分な成果を上げられる人は限られていると考えるからだ。
しかし、実際には広告・宣伝・勧誘の力によって、外貨預金をしたことのない人が、特約付外貨預金に預けてみたり、外国債券を買ったことのない人が外貨建て保険を契約したりしている。これは危険だ。まわりにそういう人がいるなら、ぜひ警告してほしい。
しくみを理解していないと、買うことはできても、解約したり売却したり外貨を円に替えたりの判断が自分できない。そのため必要以上に損をしてしまったり、得られるはずだった利益を逃してしまうことになってしまう。
人にその商品の仕組み、メリット・デメリット、投資法を説明できないなら、その商品は手を出すべきではないだろう。
5)リスクとリターンが見合っているか
よい投資商品とはリスクとリターンが見合っているものだ。見合っているとは、あやふやな表現なので、こう定義しよう。「思惑が当たれば+10%の利益だが、はずれれば−10%の損になる」商品はリスクとリターンが見合っている(より正確には、預貯金に預けた場合より+10%、-10%だが預貯金利率がほぼゼロなので)。
期待リターンが比較的小さいのに、為替手数料や、購入手数料、口座管理料などがかさむ投資は「見合っていない」可能性が高い。
また、仕組みが複雑な商品の中には「見合っていない」ものもある。見極めたい。
6)時間を味方につけられるか?
為替の動きを予測するのは、非常にむずかしい。
だから、為替差損を避けるには、時間を味方につけるのがとても大切だ。3ヶ月以内に預けたときより円安になる確率より、6ヶ月、1年、2年と期間が長くなるほど、円安となる確率は高くなる。
ところが、「外貨定期預金」の満期金が自動的に円に替えられて円の普通預金口座に払い込まれるしくみになっていたり、「外貨建て債券」の満期金が自動的に円に替えられてMRFに振り込まれるしくみになっている場合などは、時間を味方につけられない。
数ヵ月後、数年後の満期時の為替レートを予測するのは不可能なので、運を天に任せるしかない。これは、合理的な投資家の行動とはいえないだろう。
投資商品や金融機関を選ぶ場合は、これも重要なポイントとなる。
と、外貨商品に投資する場合のポイントを並べてきたが、やはり実際に経験してみないことには、知識は身にならない。
1万円からできる商品も多い。国内もの未体験の人はまず国内ものから始め、1日も早く外貨ものも経験していただきたい。自分の将来のために。
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