お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
<手数料に敏感になろう>
○ お金持ちはお金にシビア! 貧乏な人は・・
昔は「お金持ちは、ものの値段にこだわらない」と思っていた。
一生贅沢をしても使いきれないお金を持っているのだから、ものを買うときに、値段なんか気にしないに違いないと考えていたのだ。
でも仕事や遊びを通して金持ちの人と知り合い、話を聞いたり一緒にすごしたりするうちに、それが大きな間違いだということに気がついた。
彼らは、値段について非常にシビアなのだ。
同じ品物を安く買うチャンスがあるなら決して逃さない。ある人は「同じ品を20%安く買えれば、お金の力が20%増えるということでしょ?」と教えてくれた。確かに!
高価な品を買ったり食事に大枚をはたいたりするが、そういうときも、払う金額に対して商品やサービスの品質が十分に見合っているかには、しっかりと目を光らせている。
ゴージャスなリゾートホテルに長期滞在するお金持ちでも、チェックアウトのときにレシートの項目をひとつひとつチェックするのを怠らない。ホテルでの買い物や食事にはサービス料や税金などが加算されるので、食事や買い物はホテルの外でと、徹底している人もいる。
贅沢にお金は惜しまないが、無駄な出費はしないのだ。
一方で、なかなかお金がたまらない人、あんまりお金を稼げない人は、お金に対するシビア度が低い。
たとえば、スーパー・マーケットでなら定価の1〜2割引きで買える食品や雑貨を、いつもコンビニエンス・ストアで買ってしまう。
コンビニで1日あたり1000円買い物すると月3万円だが、スーパーやドラッグストアを上手に使えば、そのだいたい2割、月6000円は節約できるはず。1年でなんと5万円だ!
コンビニでなくスーパーで買うためには、ちょっとした手間や計画性が必要だ。その計画性を持てるか手間をかけられるかが、貧乏と金持ちの分かれ道だ。
○ 手数料に鈍感な人はお金がたまらない
20代の人向けの雑誌で、読者の「家計診断」とか「無駄遣い度チェック」を担当することがあるが、お金がたまらない人には「手数料に無頓着」という共通項がある。
たとえば現金をATMで引き出すときの手数料、送金するときの手数料、クレジットカードの分割払いの手数料(これは実質はローン金利だが)などなど。 毎週1回お金を引き出すときに 105円の手数料を払っているとしたら月 420円。プラス送金手数料を1回あたり 210円月2回として計 420円を余分に払っているとしたら合計で月840円、年間10,080円の無駄遣いだ
こんなふうに手数料に無頓着な人は、年間で数万円〜数十万円の無意味なお金を払っている可能性があるわけだ。これこそ死んだお金の使い方の代表例。心当たりありませんか? 7万円あれば、デラックスなリゾートホテルに泊まるバリ島5日間のツアーに参加できるのにね。もったいない。
この手数料の概念、ぜひ貯蓄や投資の分野にも広げたい。
多くの銀行は、給与の振込口座に指定している、公共料金の自動振り替えを利用している、系列のクレジットカードを持っているなど一定の条件を満たすと、各種の手数料が安くなる仕組みになっている。
不都合がなければ、いろいろな取引をひとつの口座に集中させるメリットはある。
証券取引も同じだ。チェックポイントは以下のとおり。
・株式投資をするとき、年3150円の保護預かり口座管理料がかかるか
・外貨建て債券や投資信託を買うとき、年3150円の外国証券取引口座管理用料 がかかるか
・外貨建て金融商品を買うときの為替手数料が1ドルあたり1円か50銭か25銭 か
・投資信託を買うときの購入手数料が、2%か1%か0%か
毎日の生活の中で、金融取引の中で、私たちは多くの種類の手数料を払っている。これらのムダを徹底的にはぶくことができれば、生活のゆとりはずいぶん変わってくるはずだ。
投資に関していえば、手数料は実質のリターンに直接関係してくる。上手な選択をすることで、実質運用利回りを年1%上げることだって可能だろう。
以上にあげた「ムダの見直し」をいっぺんに実行するのはちょっと難しい。 今月はコンビニ費、来月は銀行手数料、その次は投資の手数料とテーマを決めて、毎月ひとつずつ取り組んで行ってはいかがだろう。
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