20代からの差をつけるマネープラン(20)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

20代からの差をつけるマネープラン(20)

<できちゃった婚のむずかしさ>

○20代前半の「でき婚」は経済的にきびし〜い

 数年前まで、毎月のように主婦雑誌の「家計診断」を担当していた。そのとき驚いたのは、20代の若いカップルに「できちゃった婚」が多かったこと。そのときで5組に1組くらいの割合だったろうか。

 最近、その雑誌の編集者と話したが「でき婚」の割合は2組に1組くらいにまで増えた感じがあるということだった。ひえ〜っ。30代以降のカップルなら「結婚のきっかけができてよかったね」となるところだが、20代前半までのカップル、ましてや女性が10代だったりすると、周りの大人はすなおにおめでとうと言えない。2人のお金の苦労が目に見えているからだ。

 就職してすぐは給料が安い。そして「でき婚」の場合、貯蓄ゼロのカップルが大半。それに加えてローンがある場合も少なくない。<少ない収入>+<貯蓄ゼロ>+<ローンあり>で結婚生活をスタートすれば、苦しくて当たり前だ。貯蓄ができないまま、ローンが増え続けることにもなりかねない。

 若いからダメ、収入が少ないからダメ、というのではない。貯蓄と計画がないから苦しいのだ。20歳の2人が結婚しても、数年共働きを続けて貯蓄をつくれば、出産や子育てにそなえることができる。妻に何年かの仕事歴があれば、育児休暇をとって(もちろん夫がとってもいい)働き続けることもできる。これなら、若くても収入が少なくても大丈夫だ。

 今つきあっている彼女・彼氏との関係を大切に思っていて、いずれ幸福な結婚のスタートをきりたいと願っているなら、絶対に不用意な妊娠は避け、将来のための貯蓄に励んでください。
 
○でも「でき婚」ということになったら

 それでも、できちゃうことはあるだろう。それで結婚・出産となるなら、やっぱりめでたい。課題は、経済的な問題の克服だ。ポイントを3つだけあげておく。

 まず気をつけたいのは、ローンを借りないこと。貯蓄なしのスタートなので、予想外の出費があったりちょっとした買い物をするときに、ついローンを借りてしまいがちだ。しかし、一度ローンを借りてしまうと、さらに貯蓄するのがむずかしくなり、ローン残高がどんどん膨らむことになる。どうしてもお金が必要なら、親から借りてきちんと返すようにしよう。

 2番目は5年先、10年先を見通すことだ(これはライフプランの視点)。小さな子がいると毎日ふり回されて大変だが、3年後は3歳に(おむつがとれて自分でごはんを食べられる)、5年後には5歳に(幼稚園の年長さん)になることを想像してのりきろう。23歳のときに生まれた子は、12年後の35歳のときには中学生になって手がかからなくなる。30代で第2の青春、妻(夫)との2回目の恋愛を楽しめる。

 三つ目は使える特典はぜんぶ使うということだ。国や地方自治体には、子のいる家庭をサポートするさまざまな制度がある。たとえば児童手当や子どもの医療費無料の制度、幼稚園の月謝補助など。これらを上手に利用すれば、負担は軽くなる。家賃の安い公営の団地なども必ずチェックしよう。

 意外に知られていないのが、国民年金保険料の「全額免除」や「半額免除」、30歳未満の人が対象の「若年者納付猶予制度」だ。自営業者や勤務先に社会保険の制度がない人で、収入が一定額以下なら利用できる。毎月の国民年金保険料が安くすめば、ずいぶん楽になる。家族構成などによって基準額が違うので、市区町村の国民年金窓口に問い合わせてみることをおすすめする。

 ただ、経済的なことばかり心配していては、結婚を決心できないのも現実だ。FPとしては「結婚までに年収分の貯蓄」をひとつの目標として提案している。でも、先週結婚した24歳の友人(でき婚ではない)は、引越し代を払ったら貯蓄ゼロになったと笑っていた。本当に幸せそうだった。貯蓄がないなら結婚を先に延ばしなさいとはアドバイスしなかった。借金がゼロで、子どもは2〜3年先と言ってたので、なんとかなるんじゃないかと応援している。

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