新入社員のためのマネー・テクニック(4)

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

新入社員のためのマネー・テクニック(4)

<会社で買える保険ってお得?>

 せっかく会社に入ったのだから「天引き貯蓄」をはじめとする福利厚生制度は、きちんと知ってうまく利用しようと提案している。
 給料から天引きされるものには、貯蓄以外に「保険」もある。これは利用した方がいいのだろうか。ざっと見てみよう。

○保険料天引きの保険にもいろいろある

 新入社員が混乱しやすいのは、会社が福利厚生の一部として運営している「共済」や「保険」と、民間の保険会社が社員向けに「保険料団体割引扱い」で売っている保険がどうちがうかということだろう。どちらも保険料(掛け金)は「給与天引き」になる。
 会社の制度なのか、民間の保険なのかを見分けるのは意外に難しい(実は説明をこころみたが、うまくいかないのであきらめた)。大切なのはそれよりも以下の3点だ。
1、退職しても続けられるか
2、本当に自分に必要な保障か
3、ほかの(世の中の)保険とくらべて、品質、保険料はOKか。
 保険はとにかくわかりにくいので、担当部署や保険会社に納得できるまできいてみよう。

 福利厚生の方は、契約できる条件が「社員」などと限定されていて、保障の内容や保険料、加入の条件なども独自のものだ。その代表はいわゆる「団体定期保険」。1年ごとに契約(更新)するタイプで、死んだときに保険料が払われる。保険料は<格安>なことが多い。ふつうの(民間の保険会社の)生命保険なら過去5年の病歴を問われるが、過去1年くらいしか問われない場合もある。加入の条件がゆるやかなのだ。

 また、多くの会社では誰でも買えるふつうの保険を「お宅の会社は社員がたくさん買ってくれるから保険料お安くしときますよ」というわけで、保険料割引で買えることがある。その際の保険料支払いは給料天引きに(会社と生命保険会社が一定の契約をしている)。契約などの手続きは保険会社とおこなうのがふつうだ。

○医療保障があれば買い、格安の団体定期でも不要なら買わない

 前にも話したが、だれも養っていない新入社員なら、死んでお金を残すための保険(団体定期保険もそのひとつ)はいらない。毎月わずか1000円でも年間1万2000円、5年で6万円なのでもっと生きた使い道を見つけよう。保険も服もくつも野菜も、いらないものは安くても買わない断固とした態度を身につけたい。

 一方、福利厚生で「安い医療保険」が会社にあるなら、中身をチェック。最重要事項は「退職しても続けられるか」だ。続けられるなら、中身(入院1日いくら払われるか、最長何日払われるか、がんや生活習慣病の特約はつけられるか、保険料がいくらか)を民間の保険とくらべ、納得できるなら買う価値がある。

 退職で続けられない「医療保険」なら、どんなに安くてもすすめない。なにかの理由で退職することになったとき、医療保険を買いなおさなくてはいけなくなる。ところがそのときやその数年前に病気や入院をしていたら、医療保険を契約できない可能性がある。契約できても保険料は(年毎に上がるので)高くなる。どちらも困る。なので続けられない医療保険はすすめないのだ。
 団体割引になるふつうの「医療保険」があれば、有利かもしれない。在籍中は安い保険料で、退職後は通常の保険料で契約が続けられるので、保険料が安い20代で契約したメリットを捨てることもない。ただし、かならず世の中のほかの医療保険とくらべてみたい。世の中どんどん進んでいるので、もっと安くていい保険が登場しているかもしれないから。

 せいぜい月1000〜3000円の保険かもしれないが、いいかげんに決めないで、情報を集めたり調べたりして自分なりにきちんと結論を出しておくと、その後の仕事も人生も、自己責任で合理的な決断ができるようになる・・・・かもしれない。保証はできないけど応援します。

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