50代は生命保険の見直し時・3

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代は生命保険の見直し時・3

 50代での医療保障の見直しについて考えている。
 前回は、保障期間は終身が理想なので古いタイプの医療保険・医療特約で75歳以前に満期を迎えるものは不安。可能なら終身保障型を新たに契約しようとおすすめした。

■健康に問題があると、医療保険に加入できないことも

 医療保険をあらたに契約するには、ふつうは「健康に問題がない」ことが条件になる。50代で血圧や血糖値が高め、過去5年以内に入院や治療歴ありというと、加入できなかったり条件付になったりすることが多い。加入を断られることもある。
 条件付の例は「部位不担保」。たとえば胃潰瘍の治療をしたことがある人に、胃に関連する病気が原因の場合は給付金を払いません、つまりからだの一部分を保障の対象からはずしますよというものだ。ほかに、通常の保険料より20〜200%高い割増保険料を払うことで、契約できるケースもある。

 部位不担保や保険料割り増しでも、保険を契約する価値があるかどうかは、判断が難しいところ。本人の考え方にかかってくる。

■告知なしで入れる保険は、保険料が高い!

 最近は、病歴や持病があっても「告知なし」で契約できる医療保険がいくつか登場している。告知とは契約時の健康状態や病歴を被保険者本人が申告することで、ふつうは保険を契約するときに必須だ。告知なしで契約できる保険を「無選択型」といい、保障内容や保険料は保険会社によってちがうが、以下の共通した特徴がある。

1 保険料がいっぱんの医療保険より高い
2 入院給付金の支払い限度日数が短めである
3 契約前に発病していた病気、あるいはその病気と関連した病気で、入院・  手術した場合は給付金が支払われない。
4 契約できる入院給付金が1日5000円程度である。

 入院しても給付金が払われない可能性があり、保険料が高く、トータルで受け取る給付金額も小さいことから、「無選択型」の医療保険はおすすめしていない。加入を検討するなら、保障内容や保険料を一般の医療保険と比較することが大切だ。

■わが子には、終身タイプ医療保険を勧めておこう 

 健康な若いうちに、終身タイプの医療保障を手当てしておけば、50代以降で保障が切れる、新規に医療保険に入れないという問題は生じない。自分の娘、息子には「今から終身の医療保険に入っておきなさい」とアドバイスしておきたい。
 今入っている医療保障が途中で切れてしまうが、健康上の理由などで一般の医療保険に新規加入ができない。加入できるのは「無選択型」だけという場合は腹をくくろう。病気や入院に、資産の中から一定額を医療費のためにとりわけておくことで備えるのだ。
 55歳の男性が、1日5000円の終身タイプの医療保険に加入する場合の保険料は、安いもので4000円前後(終身払いの場合)。
 月4000円の保険料を20年間払い続ければトータルで96万円。保険料を払うつもりで100万円前後をとりわけておけば、入院に備える効果はさほど変わらないというわけだ。

 保険は万能ではないしお守りでもない。保険を使えなくても不安になる必要はない。冷静に別の方法を考えればいいのである。

(ファイナンシャル・プランナー 中村芳子)

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