お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
■がんの保障をどうする
前にも書いたが、健康の不安がある人は保険に入りすぎるきらいがあるので、十分注意したい。
でも、年齢が高くなるほどリスクが高くなる病気もあるのが現実。生活習慣病はその代表だが、がんのリスクも高齢になるほど高くなる。では、がんの保障はどうしたらいいだろうか。
長年コンサルティングをしてきて気づいたが、これらの病気への不安の大きさは、人によってずいぶん違う。
不安はだいたい親や家系の病歴と関係している。親や親戚ががんにかかったことがあるという人の多くは、がんの不安が強い。もっともだ。ただ、この手の不安は原因がはっきりしているから、保険という具体的な方法で備えて、不安を小さくできる。
逆に「がんの不安なんてゼロ」という人は、基本の(病気やけがの入院を保障する)医療保障だけ手当しておけばいい。
■通院保障を厚く、終身タイプを
がん保険にはさまざまな商品があって迷うが、だいたい次の保障のいくつかが組み合わされており、どの保障に重点を置いているかがその商品の特徴だ。
1 診断給付金 がんと診断されたとき、一時金が払われる
2 入院給付金 がんで入院したとき、入院日数に応じて払われる
3 手術給付金 がんで手術したとき、手術の種類に応じて払われる
4 通院給付金 がんの治療のために通院したとき、通院日数に応じて払わ れる
がんになっても、特に高額な治療費がかかるとは限らない。
健康保険が適用される治療だけを受けるなら、特段に入院費や治療費がかさむことはない。ただし、治療期間が長くなったり再発する可能性があることを考えると、入院給付金の支払い日数が無制限のタイプが安心だ。
健康保険がきかない民間療法や高度先進医療を受けたり、外国で治療や手術を受ける可能性があるなら、まとまった診断給付金があるタイプを選ぶといい。
最近はがんに限らず、入院日数が短くなって通院による治療が増え、通院期間が長くなっている。通院給付金が充実しているタイプを選びたい。
がん保険には、「定期型」と「終身型」がある。
定期型は保険期間10年が主で、10年ごとに自動更新される。保険期間が短いので保険料は当初安いが10年ごとに上がり、保障が90歳で終わってしまう。90代現役の人も珍しくない今の時代にこれはちょっと不安。
高齢になるほどがんのリスクが高くなることを考えると、加入後に保険料が上がらない終身型がおすすめだ。
■単品か特約か、今の保障に合わせて選ぶ
がんの保障には、単品の「がん保険」と医療保険などの主契約にプラスする「がん特約」の2つのタイプがある。
基本の医療保障があるなら、それにがん特約をつけられないか調べてみよう。特約の保障内容と保険料を、新規でがん保険に入る場合と比べてみる。保障内容と保険料が納得できる方を選べばいい。
理由があって医療保障そのものを見直すなら、がん保障を特約でつけられる医療保険をチェックしてみよう。がん保険に医療保障を特約で付けられるタイプもある。1本の保険で基本の医療保障とがんの保障を手当てできれば、シンプルで楽ちんだ。
がん保険選びに正解はない。一生がんにかからない可能性だってあるのだから。必ず複数の商品を比べてみること。自分が納得できる保障内容で、保険料がリーゾナブルと感じられる「納得感」を大切にしたい。
なお、がんの保障は契約日から数えて91日目からスタートするのが普通。これを知らないで契約するとトラブルになることもあるので覚えておこう。
次回は生活習慣病の保障について見てみよう。
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