50代は生命保険の見直し時・6

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

50代は生命保険の見直し時・6

■生活習慣病の保障を厚くする2つの方法

 50代になると、酒の席や同窓会は「病気の話」で盛り上がるようになる。面白おかしく病気自慢をしていても、内心はかなり心配というのが現実だろう。 以前は主にがん、糖尿病、高血圧性疾患、心疾患、脳血管疾患の5つをまとめて「成人病」といったが、成人でなくても発症することがあり、生活習慣の積み重ねが原因であることが多いため、最近は「生活習慣病」と呼ぶのがふつうだ。

 基本の(病気やけがの入院を保障する)医療保障だけで不安なら、生活習慣病の保障を上乗せして手当する方法もある。 生活習慣病は治療に長期間かかったり、完治しにくい病気もあるというのが、保障を厚くの根拠である。
 
■入院給付金日額アップ VS 一時金

 生活習慣病の保障を厚くする方法はふたつある。ひとつめは基本の医療保障に「生活習慣病特約」をつける方法だ。 前出の5つの病気(5大生活習慣病)を対象にするものが多いが、肝硬変と慢性腎不全を加えた7大生活習慣病を保障の対象とするものもある。保障の対象は保険会社や商品によって違う。
 基本の保障1日5000円に、生活習慣病特約を1日5000円つければ、対象になる病気以外の入院では1日5000円だが、生活習慣病なら1日1万円の給付金が払われる。基本の保障で1万円を手当てするより、保険料は安くなる(ほかの条件が同じ場合)。

 もうひとつは「三大疾病保障保険」で、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3つに絞ってそなえる方法だ。保険会社によっては「特定疾病保障保険」といい、対象の病気と診断されたときに一時金が支払われる。保険金300万円で契約していれば300万円が、500万円なら500万円が支払われる。三大疾病にならずに亡くなった場合にも、同額の死亡保険金が支払われるのが特徴だ。

 この保険は、保険金支払いの条件がやや複雑なのが難点だ。たとえば急性心筋梗塞と脳卒中の場合は、診断を受けた日を含めて60日以上働けない状態が続かないと保険金は支払われない。脳卒中と診断されても60日未満に働けるようになると払われないのだ。急性心筋梗塞でも狭心症や心不全は含まれないなどは、事前に「契約のしおり」「約款」を入念に読んでいてもわかりづらいところだ。

■保険期間に注意

 生活習慣病特約の保障期間は、基本の医療保障の期間と同じなのがふつうだ。ただ商品によっては、基本の保障が終身でも、生活習慣病は80歳までと短くなっているものもあるので、加入の前に確認しておきたい。 

 三大疾病保障保険は、更新型と終身型がある。更新型は更新のたびに保険料が大きく値上がりする上、80歳で保障が終了するものが多い。齢を重ねるほどリスクが高くなる生活習慣病なので、加入するなら終身型を選ぶのがいいだろう。

 どのタイプであれ、50代以降に医療の保障を厚くしようとすると、保険料は安くないのが現実だ。しかし、前回までお話したように、これまで入っていた保険の不要な部分を解約したり、減額すれば、保険料を減らすことができる。その分を、50代以降の医療保障にまわす方法は合理的だ。

 ただ何度もいうが、健康でなければ保険加入は難しい。1日1万歩歩く、スポーツジムに定期的に通うなど、まず自分の健康のために時間とエネルギーを投資することから始めるのがいいかもしれない。

マネックスからのご留意事項

「10年後に笑う!マネープラン入門」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧