お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)
■50代は勉強はするが投資はしない
違う仕事をしている3人から全く同じことを聞いた。「50代は投資をしない」ということだ。
1人目は企業の社内教育を担当する人。キャリア設計セミナーなどで、資産運用についても考える機会があるというのだが、尋ねてみると、実際に株式など(自社株以外)の運用を実践しているのは100人にわずか1人か2人とか。
2人目は投資教育に携わっている人。50代向けの資産運用セミナーを開催すると人はたくさん集まるのだが、実際にお金が動かないと嘆いていた。
3人目はシニア向けの広報誌を発行している人。50代は資産運用に関する情報を熱心に集めて真面目に勉強するが、いざ実行する人はかなり少ないと教えてくれた。
いったいなぜだろうか。原因を考えてみた。
■これまでは運用しなくても困らなかった
第1に考えられるのは、今までは運用しなくても特段困らなかったということだ。今50代ということは、過去10年は、住宅ローンを払いながら子どもの教育費をふうふう捻出していた時期だ。40代〜50代は収入は多いが入った分がどんどん出て行ってしまう。手元にまとまったお金はあまりない。とすれば運用してもしなくても大きな差はでないものだ。
第2に考えられるのは、忙しくて運用どころではなかった点。いうまでもなく40代〜50代は会社での責任が重くなり、仕事のプレッシャーがど〜んと増す。家に帰ると思春期の難しい子どもたちがさまざまな問題を抱えている。仕事と家族のことで手一杯で、運用のことを考える余裕がなくても無理はない。
第3は、投資環境が整っていなかったということ。以前は株や投資信託を売買するには、平日の昼間に証券会社に足を運ばなければならず、会社員にはとてもできなかった。今でこそ夜でも休日でも、パソコンのキーボードをたたけば取引できるが、まだ誰もがその状況にキャッチアップしているわけではない。
第4。大もうけをしたい人だけが運用をすればいいと勘違いしている。以前は「資産を守るためには元本保証型の商品に」で正解だったが、今は「資産を守るためにこそ投資が必須」と私は考える。ただこの考えは、残念ながらまだ十分に理解されていない。
第5は、怖い。元本保証の預金にしか預けたことがないので、一時的でも、投資したお金が減るというのは恐ろしくて手が出ない。海で泳いだことのない人が、波が怖くて海に入れないのと同じだろう。プールで練習をして、万一の対処法も学んでコンディションのよい時に海に入れば怖くなくなるのだが。
第6は、始め方がわからない。やってみたいと思っても、どこからどう1歩を踏み出したらいいかわからない。私は日ごろ「まずネット証券に口座を開きましょう」「次に投資信託を1万円買ってみましょう」と話している。素直にそれを実行した人は、自分で次のステップに進んでいる。しかし、とっかかりがつかめないと、いつまでたっても始められないものである。
さて、まだ投資していないあなたは、どれに当てはまりますか?
■これからは全然ちがってくるよ!!
今の50代は、公的年金もそこそこもらえるし、退職金もしっかり受け取れそうだ。だが心してほしい。あなたの余命はあと30年40年もある。社会の変化のスピードはどんどん速くなっているので、これからの30年は過去100年をしのぐ変化になるかもしれない。いや150年分かもしれない。
さあ、今まで貯めてきた資産と大切な退職金をどうやって守りますか?「今までの考え方・やり方」に固執して、それを続けていくのはかなり危険ではないだろうか。今までの考え方とは「お金は銀行預金と郵便貯金に預けておけば間違いなし」というものだ。
これからの変化の30年40年を生き延びるため、まず1万円から今すぐに投資信託を買ってみよう。そうすれば、あなたも必ず次のステップに進めるはずだ。-----
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