体力と健康に投資しよう

お金のドクター、中村芳子がお金にまつわるさまざまな悩みに、専門家としてアドバイスします。(現在は更新しておりません)

体力と健康に投資しよう

■ 保険料は無駄になるのがいい

 定年まで10年を切るころになると、体力・気力の衰えを実感する人も多い。健康への不安が大きくなると、保険への関心が高まる傾向があるようだ。 入院にそなえる「医療保険」だけでなく「がん保険」や「死亡保険」などに加入したり保障額を増やそうとする人もいるが、50代以降に必要な保障額が増えるということはまずない。保障が切れないように気をつけることは大切だが、むしろ、不安にまかせて保険を増やさないよう注意したい。

 保険の相談を受けるたびにお話しているのは、「保険料は無駄になるのが(モトがとれないのが)幸せなんですよ」ということ。つまり、保険金や給付金を受け取らなくてすむのが、いいことなのである。払いっきり(掛け捨て)になっても納得できる額に保険料を抑えることがポイントだ。

 それから、病気に備える=保険に加入するだけととらえず、50代は特に、予防に気を配りたい。気をつけていても避けられない病気もあるが、本人の注意と努力で避けられる可能性が高いものもある。いわゆる生活習慣病がそれだ。栄養バランスのとれた食事を腹八分目にとり、規則正しい生活をして、適度な運動をすると、かなり予防できるといわれる。

■働き盛りの健康管理は難しいが

 しかし働き盛りのサラリーマンは、なかなかそうもいかない。長時間労働や公私の付き合い、自分の気分転換も含めて、不規則な生活で食べすぎで運動不足、というライフスタイルを不本意ながら続けている人も多いだろう。

 ところが見回してみると、自営やフリーランス、会社の経営者という人は、多忙でも自分の健康管理には人一倍熱心だ。「体が資本」ということを身にしみて知っているので、健康や体力への十分な投資をおこたらない。いつ寝てるの?という人も、きいてみると必ず自分なりの健康法を実行している。

 その結果は、50代くらいではっきりと出てくる。「筋肉が衰えて腹ポッコリ、中性脂肪値が高いサラリーマン」VS「鍛えられた筋肉があって脂肪の少ない自営業者」という図式だ。若々しさもずいぶん違ってくる。

 以前、金融自由化とは何かという質問に、よくこう答えたものだ。
「金融自由化とは、公務員が自営業に転じるようなもの。国まかせが通じなくなり、すべてが自己責任となることだ」 キーワードは自己責任。

 健康や体力というのは、本来、自己責任だ。ところが20代30代のうちは体の手入れを怠っていても、若さでカバーできる。じわじわと体力が衰えて脂肪が増えてもなかなか気がつかない。企業に勤めていると、何かあったら会社が面倒を見てくれるだろうと、無意識のうちに安心してしまいがちだ。
 ツケは50歳を過ぎた頃に出てくる。糖尿病や高血圧、肥満、体力の衰え・・。 
■健康法も投資も実践してこそ

 十分な財産を作り、保険で万全を期して定年を迎えても、体がいうことをきかなくては楽しく暮らせない。逆に健康なら、お金がちょっとばかり足りなくてもなんとかなるものだ。

 健康には、誰でも自営業のつもりで取り組もう。
 今は健康雑誌もたくさんあり、情報はネットでもすぐ手に入る。ただし健康法も投資と同じで、読むだけで「実践」しなくては効果がない。いろいろやってみることで、自分にぴったりの方法が見つかるだろう。
 投資と同じで「10年後20年後にこうありたい」を思い描いて目標を設定できれば、途中でちょっと挫折しても、また続けることができるだろう。ウエストサイズや体重は具体的な数値目標になる。

 悠々自適な生活のため、大切なのは先のばしにせず1日も早く始めることだ。

中村芳子
ファイナンシャル・プランナー/アルファ アンド アソシエイツ代表
http://www.al-pha.com/fp/

※本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、マネックス証券の意見 ではありません。

マネックスからのご留意事項

「10年後に笑う!マネープラン入門」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧