ペイオフ対策で考えておくべきこと

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

ペイオフ対策で考えておくべきこと

7月8日の日経ネットにこんな記事が掲載されていました。
===================================定期性預金6月残高、過去最大落ち込み

日銀が8日発表した6月のマネーサプライ(通貨供給量、速報)によると、定期性預金の残高(月中平均)は前年同月比13.9%減と過去最大の落ち込みとなった。一方、普通預金を中心とする要求払い預金は同37.8%増えた。
今年4月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1,000万円とその利息までとする措置)解禁をきっかけに、全額払戻保証がなくなった定期預金から、全額保証が残る普通預金への資金移動が進んでいる。今回の統計は6月もこの傾向が続いたことを裏付けた。(以下省略)
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2002年4月から定期預金などがペイオフの対象になったことから普通預金への資金シフトが起こっています。さらに来年4月からは普通預金なども含めて、ペイオフが解禁となる見通しです。普通預金もペイオフの対象になったら、資金をどこにシフトさせればいいのでしょうか。

2月8日のこのコーナーでペイオフ対策として
■「ペイオフ」とは預金の世界の話、しかもすぐ発動されるものではない■とは言え、まずは今ある預金をどうすれば良いのかを考える
■「ペイオフ」対象外の商品のことも理解する
と書きました。最近は貸金庫に現金を保有したり、金などの資産を持つ人もいるようですが今回は「ペイオフ対象外の商品」としてMRFを検討してみます。
● MRFには厳しい運用ルールがある
マネックス証券では大和投資信託のMRFを取扱っています。証券総合口座に入金すると自動的にMRFを購入し運用します。投資信託なので元本の保証はありませんが、いつでも手数料無料で解約できる安全性の高い商品です。
運用の安全性を確保するためにMRFには厳しい運用ルールがあります。組入れ債券は償還まで1年以内ものに限定、平均残存期間90日以内、組入れられるのは最低格付が長期債A以上のもの、為替リスクも取りません。

つまり、為替リスクは取らない、株式も組入れない、長期金利の上昇リスクも取らない、慎重な運用によりリスクコントロールを行っているわけです。
● 預金とMRFの大きな違い
銀行預金を比較した場合、もう一つ大きな違いがあります。それは『分別管理』です。投資家が運用するMRFの資産は信託銀行で個別に保管されています。預け先金融機関の破綻に不安を持っている方もいらっしゃると思いますが、投資信託の場合、販売している証券会社、MRFを運用している会社、保管している信託銀行に万一の事態があった場合でも資産は保護されるのです。

これが『分別管理』のメリットです。保護されない預金は預入れ銀行の経営状態などをチェックする必要が出てきますが、MRFをはじめとする投資信託は運用資産自体の安全性だけが重要になってくるのです。

● 手数料無料の入金方法でMRFを活用しよう
さて、MRFに資金を移動させようとしても入金に手数料がかかっては使いにくいもの。MRFへの入金にも手数料のかからない方法を選びましょう。低金利時代、振込手数料は無視できません。

例えば「カードMRF定額入金サービス」はカードde自動つみたてで、毎月マネックス証券口座のMRFへ定額入金ができるサービス。これは《セゾン》カードをお持ちの方なら、カードの引落金融機関口座からマネックス口座へ、手数料無料で毎月自動的に定額入金されます。

またみずほ銀行スーパーデビットサービス(旧富士サイバーバンクマネックスバージョン)も手数料はかかりません。みずほ銀行以外にも振込手数料が無料の銀行を使う方法もあります。

ペイオフ解禁に過剰に反応する必要はありませんが、銀行預金以外の選択肢についてもリスクやコストについて研究しておきましょう。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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