株価が下落している時に何をしたら良いのか

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

株価が下落している時に何をしたら良いのか

株価の変動が激しくなってきています。これから投資する資金については、5月10日のこのコーナーでドル・コスト平均法による投資を説明しました。(http://www.monex.co.jp/visitor/shohin/joho/monex_mail/index.html)今回は既に投資をした「今もっている資産」をどうするかについてです。値下がりしていくのをただ見ているだけではなく、最悪の事態でも最善の行動を。
● まずは、単純な例で考えてみましょう
100万円を日本株と外貨資産に50%づつ投資しているとします。最初は50万円づつの投資になりますが、相場が動けば、比率が変ります。日本株が半分まで値下がりし、外貨資産が円安で2倍になったら、

日本株部分    50万円 → 25万円
外貨資産部分   50万円 → 100万円
合計      100万円 → 125万円

となります。

● 「リバランス」という考え方
元々それぞれの資産に50%づつ投資するのが資産配分の目標だったわけですが、これが相場の変動によってズレてしまった訳です。この場合、値上がりしたものから値下がりしたものへの資金の調整を行う必要があります。これを専門用語で「リバランス」(もう一度バランスさせると言う意味)と言います。合計金額125万円を50%づつに配分しなおすには、外貨資産を37.5万円売却し、同額日本株を購入ということになります。

リバランスは本来自分が目標としていた資産配分へ調整をするのが目的ですが、相対的に価値が下がったものを買い、上がったものを売るという意味で逆バリと同じ効果があります。一方で結果的に長期的に下落が持続する資産を買い続けることになってしまうリスクもあります。

● 資産がすべて値下がりしている時も・・・
先ほどの例で、こんどは外貨資産も20%値下がりしている場合を考えてみましょう。この場合

日本株部分    50万円 → 25万円
外貨資産部分   50万円 → 40万円
合計      100万円 → 65万円

となります。資産が減っているのを見るのは嫌なものですが、65万円を50%づつにリバランスさせるわけですから外貨資産を7.5万円売却し日本株を購入します。比較的値下がりの小さな外貨資産を売り、より大きく値下がりした日本株を購入することでリバランスを行うことになります。

● リバランスをいつするか
リバランスをするにはある資産を売却してある資産を購入する取引になります。売買には手数料がかかり、金額が小さいと取引が出来ない場合もあります。頻繁なリバランスはデメリットの方が大きく、例えば3ヶ月に1回資産の配分を見直し、リバランスをするといった方法が良い方法です。期間を決めて定期的にリバランスすることが大切です。

● リバランスするためには
リバランスには2つの準備が必要です。

リバランスの前提になるのが、資産の評価です。買った時の値段ではなく、現時点での時価評価で計算をしなければなりません。つまり持っている資産を今の値段で評価することが必要になってきます。

また、自分が理想とする資産の配分プランを考えておかなければなりません。運用する期間や資金の目的が変わったら、それにふさわしい資産配分をしっかり決めておかないと理想の配分方法を正しく認識していないことになってしまいます。

● マネープランナーが便利
自分の今の資産状況と希望の資産配分を表示し、リバランスの金額まで計算してくれる便利なツールが「マネープランナー」です。マネックスのメンバーの方であれば、リアルタイムの残高を自動取得してくれるので計算したり、手入力する手間がありません。しかもジャパンネット銀行、UFJ銀行、も追加。今までのマネックス証券、みずほ銀行、新生銀行、セゾンカード(利用明細)からパワーアップしました。個別の銘柄だけではなく資産全体のバランスも考えてみることをお勧めします。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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