100万円以上の外貨運用方法(2)

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

100万円以上の外貨運用方法(2)

先週は為替の手数料について説明しました。今週は保有期間に応じて発生するスワップポイントを中心に説明したいと思います。

● スワップポイントの考え方
外貨預金に金利があるようにマネックスFXにも買いから入った場合、保有期間に応じて発生する益(スワップ益)があります。これはスワップポイントによるものです。

マネックスFXの画面には為替レートの横にスワップポイントという数字が掲載されています。買いSwap、売りSwapという欄で、例えばドル円であれば

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Bid    Ask    買Swap  売Swap
117.20 117.25 +43    −48
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といった表示になっています。買いスワップ+43円と表示されていますが、これはドルの買い持ちポジションを保有した場合、毎日1万通貨(ドル)あたり43円がスワップ益、として積み上げられていくということです。スワップ益は毎日変動しますが43円とすれば1年間で43*365=15,695円となります。金利に換算すると約1.3%。外貨預金などに比べるとかなり高いレートです。(1ドル=120円で1万ドル購入した場合の円のリターンを計算)

ポンドなどでは1万ポンドに対して買いSwapが200円近くになることもあります(本日の表示は183円です)。これは1万ポンドの買いポジションに対して毎日200円近いスワップ益が貯まっていくということです。1年で計算すると・・・。これは侮れません。

● スワップポイントとは?
スワップというのは交換という意味。通貨の交換によって発生する金利の差額なのでこのような名前になっているのです。

スワップポイントはどうして発生するのか、簡単に説明してみましょう。現在のように円金利が低く、円以外の通貨の金利が相対的に高い場合、外貨(例えばドル)の買い(ロングと言います)の取引を行うと、外貨の買い(ロング)円の売り(ショートと言います)が発生します。その結果買っている外貨からは金利を受取り、売っている円の金利を支払うことになります。その差額がスワップポイントです。

海外の金利が相対的に高い場合、差額がプラスになりスワップ「益」になる訳です。高金利の通貨を買う場合、金利差が大きいのでスワップ「益」も大きくなります。豪ドルやポンドのスワップポイントが大きいのはこれが理由です。
相対的に高い金利の通貨を買い、低い金利の通貨を売りにすると、スワップポイントは受取となります。しかし、反対に相対的に高い金利の通貨をショート、低い金利の通貨をロングにすると、支払額>受取額となるため、スワップポイントは支払となります。

● 円高でも対応できる機動性
買いと売りのどちらからも取引ができるのが、マネックスFXの特長です。円高になる局面では外貨の売りから入れば、収益を上げることができます。外貨預金や外貨MMFでは買いからしか取引できず、円高局面では収益を上げることができません。

ただし、外貨の売りから取引を行うと、金利の支払額>受取額となるためスワップ益ではなくスワップコストがかかることになります。この場合画面に表示されている「売りSwap」の金額が毎日かかることになります。

● 為替のリターン = 為替レートの変動+スワップポイント−コスト
為替取引のリターンは為替レートの変動、スワップポイント、コストの3つに分解して考えることができます。

為替レートは買いから入る場合、円高ならマイナス、円安ならプラス、売りからなら逆になります。

スワップポイントは現状では買いから入るとプラス、売りから入るとマイナスになります。

コストは手数料と売買スプレッド(買いレートと売りレートの差、マネックスFXではドル円なら通常5銭)がかかります。

● 他の会社の商品とマネックスFX、どちらが良いのでしょうか?
為替保証金取引はマネックス以外にもサービスを提供している会社があります。どちらが良いかについてこのコラムで結論を書いても客観性が無い、と言われそうです。そこで次回は結論ではなく、商品の選択基準について書いてみたいと思います。

(さらにつづく)

今回の話のまとめ−−−−−
スワップポイントは外貨の買いであれば益、売りの場合はコストになる
マネックスFXは売りからも取引できるのが外貨預金との違い
スワップポイント、コストについては比較して商品を選択しよう

ではまた来週・・・。

(マネックス証券 資産設計部 内藤 忍)

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