2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
2003年6月6日のこのコラムで「こんな商品、あったら欲しい」ということで個人的な希望を書いてみました。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/003692.html
その中で取り上げた日本国債の売りができる商品は債券ベアファンドとしてマネックス証券で販売開始しましたし、居住用不動産だけを組み込んだREIT(日本レジデンシャル投資法人)も(地域は東京だけではありませんが)東証に上場しました。投資の幅は着実に広がっています。
さて今回はこんな商品、あったら欲しい(2)ということで自分が欲しいと思っている商品を考えてみました。読者の皆様のご意見もいただけると商品化実現のパワーになりますのでご意見をお寄せください。
●インド株ファンド
欲しい商品その1はインド株に投資する投資信託です。
マネックスで販売しているHSBCチャイナオープンは運用好評です。10月22日の週次レポートによれば1年間の騰落率は7.0%、設定来は55.0%となっています。
ブラジル、ロシア、インド、中国(China)の頭文字からBRICs(ブリックス)という言葉が生まれましたが、将来が期待されるこれらの国の中で中国の次と言えばインドではないかと思っています。
中国株では中国人の専門家に勝てないのと同様に、インド株ではインド人の専門家には勝てません。非効率性の高い市場ではファンドマネージャーに運用を任せるアクティブ運用が原則です。
http://www.monex.co.jp/monex_blog/archives/003664.html
●外国人のインド株投資
インド株は日本の個人投資家のようなインドにとっての外国人投資家が投資するには税金上の問題がありました。外国人がインド株に投資してキャピタルゲインが発生した場合、1年未満の短期売買を行った場合利益の30%、1年以上の売買については10%を課税されていました。
しかし今回外国人投資家に対する税率が1年未満の短期売買の場合30%から10%に、1年以上の売買については10%がゼロに低減されることになり、日本の個人投資家にも投資対象としての魅力が出てきたのです。
インド株も中国株同様変動の激しい市場でありリスクを考えた投資を検討すべきですが、自分の資産の最大10%くらいは中国、インドといった新興市場(エマージングマーケット)の株式に投資をしても良いと思います。
●10年後から毎年お金が受け取れる年金型債券
欲しい商品その2は今投資をしておいて、10年後から年金のように決まったお金が受け取れる債券です。例えばこんな商品は欲しくありませんか。
オーストラリアドルで投資をします。
1.最初に投資家は一万豪ドルを支払う(現在の為替レートで80万円程度)2.当初10年間は支払いはありません
3.10年6ヶ月目から20年後まで半年毎に元利金を受け取る(総計20回)
金利情勢にもよりますが、10年と半年経ってから半年毎に受取れる金額は豪ドルで1,135ドル(1豪ドル=80円換算で90,800円)となります。20回で受け取れる合計金額は22,700豪ドルです。仮に為替レートが動かないと仮定すればこれは181万6千円になります(為替手数料、税金などを除く)。
例えば50歳の方がこのような商品を購入すれば60代にまとまったキャッシュフローを作ることができます。為替リスクがあるので受取額は変わる可能性が高いですが、円安になればさらに円ベースの受取金額は殖えることになります。将来の年金型の資金プランとしてはなかなか魅力的ではないでしょうか。
●新しい商品のここに注意
新しい商品が続々と開発され個人投資家の資産設計の幅が広がるのは良いことです。今まで投資できなかった分野への投資によってより広い分散投資が可能になるからです。
ただし新しい商品すべてが良い商品とは限りません。低コストであること、自分に合った商品であることを確認してから投資をはじめましょう。また自分の資産のどの位の組入れにするのか。アセットアロケーションを考えて投資金額を決めましょう。リスクの取りすぎには要注意です。
今回の話のまとめ---------
●インド株に投資をしたい、年金型の債券にも投資をしたい
●新しいからといって良い商品とは限らない
●良い商品であってもどの位組み入れるかは慎重に考えよう
ではまた来週・・・。
(マネックス証券 内藤 忍)
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