金利に敏感になる

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

金利に敏感になる

今年7月のゼロ金利政策解除によって金融商品の金利に変化が出てきています。ミクロの世界であったために今まで金利には無頓着だったのですが、計算してみると意外な金利収入に驚きました。

●MRFでも0.2%台
 例えば証券総合口座においてある資金はMRFで自動運用されますが、マネックス証券で取扱うダイワMRFは0.219%(※)、日興MRFは0.213%(※)と0.2%台になっています。

●株式にも貸株金利が付く
 株式を貸し出して貸株金利を受け取る貸株サービスも9月の貸株利率は高めに設定されています。貸株サービスはマネックス証券に保有している株式をマネックス証券に貸し出し、貸株金利を受け取るもので、マネックス証券独自のサービスです。マネックス証券に対する信用リスクが発生することなどいくつかの注意事項がありますが、リスクを認識した上で活用を検討できる商品です。
貸株サービスの説明はこちら
http://www.monex.co.jp/StockLending/00000000/guest/G1900/lend/index.htm
 9月については貸株金利が年率0.5%になっています。例えば1,000万円分の株式を保有している方なら1ヶ月で4,000円以上の収入になります。意外に馬鹿にならない金額です。しかも貸株期間中も売却は自由ですから手間はかかりません。

さらに自動的に株主優待権利が付く仕組みも9月16日から導入されるようです。http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news6092.htm
 貸株通帳で貸株金利が溜まっていくのを見るのは楽しいものです(体験者)。
●海外金利型商品は高金利
 海外金利は為替リスクを伴うもののはるかに魅力的です。

 下記は外貨MMFの直近の分配実績(※)です。
 米ドル 4.661%
 ユーロ 2.304%
 豪ドル 5.297%

 3通貨に均等投資していたら平均で4.08%になります。

 外貨MMF以外にも外債やマネックスFXを外貨預金のように使う方法もあります。
マネックス証券で取扱う外債の最新情報
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news6096.htm
マネックスFX活用法(バックナンバー)
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/006276.html

●個人向け国債は変動10年
 9月13日8時半からマネックス証券でも募集を開始する個人向け国債16回債(10年・変動)は初回金利が0.92%に決定しました。こちらは半年毎に金利の見直しがありますから今後もし金利が上昇すればさらに金利収入がアップします(長期金利が下がれば金利も下がります)。

財務省個人向け国債ホームページ
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/index.html

●分散投資で得られる金利は?
 さて「資産設計塾」で提唱している分散投資例である「標準的なアセットアロケーション」を実践するとどうなるでしょうか?上記の現時点での年利回りでシミュレーションしてみました。

 日本株(30%) 貸株サービスを使うと9月は0.50%
 日本債券(10%)個人向け国債は初回0.92%
 外国株(20%)
 外国債券(20%)外貨MMFの3通貨平均は直近で4.08%
 流動性資産+その他の資産(20%)MRFは直近で0.21%

( )内は「標準的なアセットアロケーション」の資産配分比率ですが、この比率で加重平均してみると1.1%になります。

 金利は変動しますし株式の時価によって貸株サービスの貸株金利も変わってきます。このままずっと同じ金利収入が入ってくる訳ではなくイメージとして捉えてください。

 ゼロ金利解除だからといって慌てて金利型商品に資産をシフトする必要はありません。今までと同じ分散投資によっても金利は意外に大きな比率になってきているのです。

※MRF、外貨MMFの数字は2006年9月1日現在の直近7日間平均利回り(課税前、年率換算)です。また過去の運用実績の概況を示したものであり、今後の運用実績を保証するものではありません。

今回の話のまとめ---------
●金利上昇局面だからと金利商品に資産をシフトする必要はない
●金利収入のある商品は活用しないと勿体無い
●分散投資でも金利は意外に大きくなってきている

ではまた来週・・・。

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
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