2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
先週『FXで月100万円儲ける私の方法』を書いた鳥居万友美さんが出演するFX動画を紹介しましたが、たくさんのお問い合わせをいただきました。今週末までにお申込みいただければ、来月から最速でご覧いただくことができます。まだ受講お申込みされていない方はこの機会に是非!
【受講者限定】鳥居万友美さん出演特典動画
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news806j.htm(マネックス証券に口座お持ちの方は無料でご覧いただけます)
「ミセス・ワタナベ」を知らない方はこちらをどうぞ
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/008878.html
さて、今週は水曜日にラジオ日経のマネーマガジンという番組にゲスト出演してきました。FPの深野康彦さんとアセットアロケーションについてお話したのですが、相場観とアセットアロケーションをどうやって融合させるのか、が話題になりました。ご興味ある方は下記のURLからオンデマンドで、収録された音声をお聴きいただけます。
内藤式・深野式アセットアロケーションの違い
http://www.monexuniv.co.jp/new/2008/post_171.html
(本編と「話題の著者に訊く」の2つのファイルがございます。)
アセットアロケーションが重要なのは言うまでも無いことですが、その方法は大きく「戦略的」と「戦術的」の2つに分かれます。
■ まずは戦略的に考える
資産運用を始める前にまず考えるべきなのが、ストラテジック・アセットアロケーション(戦略的資産配分 Strategic Asset Allocation)です。これは運用の基本になるアセットアロケーションで、リスクを考えながら自分に最適な通常状態での資産配分を設定するものです。
私が実践している内藤式標準的アセットアロケーションでは資産を6つに分類し、株式50%、外貨40%という配分を基本としています。戦略的資産配分には相場見通しは反映されません。全天候型でどのような事態でも対応できる、つまり想定以上の損失を被らないように設計されたバランスの取れた基本の配分比率なのです。
■ 次に戦術的に行動する
もう1つのアセットアロケーションがタクティカル・アセットアロケーション(戦術的資産配分 Tactical Asset Allocation)です。これは戦略的に設定した資産配分を短期的な相場見通しに基づき、一時的に意図的に歪ませることでリターンの向上を狙うものです。
例えば、日本株の配分比率が30%と戦略的に決めていたとしても、短期的に弱気な見通しを持っている場合、30%から引き下げて(例えば25%)、その分を他の強気の見通しを持つ資産に振り向ける方法です。
戦略的な資産配分からどの程度歪ませるのかは、マクロ経済データの収集と分析と行ない、それをベースに株式、金利、為替などに対する見通しとそれぞれの予想に対する確信度を判断する、といったプロセスで決定していきます。
タクティカル・アセットアロケーションは資産配分のアクティブ運用と言うことができます。相場見通しが想定どおりになれば、リターンをさらに高めることができますが、逆に予想が外れた場合、リターンを下げる結果になります。やるからにはそれなりの経験と能力が必要です。
■ 2つのアセットアロケーションの相違点と共通点
2つのアセットアロケーションの違いを明確に理解しておく必要があります。大切なポイントは戦略的なアセットアロケーションはやるべきですが、戦術的なアセットアロケーションは必ずしもやる必要は無いということです。
タクティカル・アセットアロケーションは機関投資家などのプロであっても難しい高度な手法です。適当に銘柄を選んでも投資の成果が上がらないのと同じように、適当にタクティカル・アセットアロケーションをやってもリターンを向上させることはできないのです。
タクティカル・アセットアロケーションについてもっと詳しく知りたい方は書籍やEラーニング(マネックス証券に口座をお持ちの方は無料で受講できます)で学ぶことができます。
動画で知る(Eラーニング受講者限定ページでご覧いただけます)
http://www.monexuniv.co.jp/service/campus/member/index.html
書籍で知る(【新版】資産設計塾 210ページをご覧ください)
http://www.monexuniv.co.jp/service/book_dvd/index.html
同じアセットアロケーションでも2つの方法の使い方は異なりますが、共通しているのはどちらも唯一の正解は無いということです。以前もこのコラムに書いたことがありますが、資産配分にはサイエンスも必要ですが、最後はアートの世界なのです。
資産配分はリスク、リターン、相関係数で決まるアート
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/008736.html
今回の話のまとめ---------
■ 戦略的資産配分は資産運用の前に考えておくべき
■ 戦術的資産配分は無理をしてやる必要はない
■ どちらの資産配分にも唯一の正解はない
ではまた来週・・・。
(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)
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