2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
マネックスは投資教育に力を入れています。今月発表された評価会社ゴメスの調査結果のコメントにも「個人投資家への資産運用に関する投資教育・啓蒙活動にも積極的な証券会社」と紹介されました。
ゴメスが発表!最新版オンライン証券ランキング&コメント
http://www.gomez.co.jp/ranking/brokerage/4254.html
■投資教育はマネックスとお客様に「Win-Win」の関係を提供する
私がいるマネックス・ユニバーシティが投資教育コンテンツを提供しているのは、日本の個人金融資産の有効活用によって個人の生活をより豊かにして欲しいと考えているからです。社会的に意義のある仕事だと信じて取り組んでいます。
しかし、そこにはビジネスとしても存在価値が必要です。ボランティアでやっていても、継続性のある価値の提供ができない可能性が高くなるからです。
投資教育がビジネスになるのはナゼでしょうか?それはマネックスとお客様の関係を考えればわかります。
証券会社のお客様が投資をやめてしまう一番大きな理由は、大きな損失が生じた時、ストレスに耐えられなってしまうからです。とすれば、もし投資教育によって対策を講じることができれば、投資を続けられる可能性が高まります。
その結果、開設していただいた口座を長く使ってもらえます。これは証券会社にとっては口座獲得にかかるコストを下げることになります。
つまり、投資教育コンテンツを提供する→お客様の投資リターン改善に貢献する→口座の解約が減る→マネックスの収益にプラス、という循環です。価値あるコンテンツを提供することで、双方にプラスになるWin-Winな存在になれるのです。
■投資教育は経済教育、金融教育と密接なつながりがある
このような投資教育ですが、単体で考えるのではなく、金融教育や経済教育と一緒に考えることによって、理解を深めることができます。
例えば、こんなお金に関する知識です。
1.働いてお金を稼ぐことの意味、自分の仕事について考えるための知識2.借金や貯蓄の意味と、お金の管理の方法に関する知識
3.お金と経済の関係と経済情報の理解方法に関する知識
4.金融詐欺、多重債務、などを回避できるような知識
つまり、投資教育の前に働いてお金を稼ぎ、それをきちんと管理でき、金融犯罪に巻き込まれたりすることなく、合理的に判断できる能力を身につける必要があるということです。
■お金の教育は子供のうちに始めた方が良い
このような「お金の教育」は子供のうちに始めた方が良いと私は思います。日本では未だにお金の話をタブー視する風潮がありますが、自分の人生の選択肢を増やすためにお金は大切なものであり、必要なお金を手に入れる方法は重要な知識であるからです。
金融詐欺に騙されたり、合理的とは思えないお金の使い方をしている人がいつまで経ってもいなくならないのは、学校教育でお金の教育を充分に教えていないことにも原因があると思います。
マネックスでは以前「株のがっこう」というタイトルで小学生・中学生を対象に投資について考えるワークショップを開催してご好評を頂きました。お客様からの要望の高いコンテンツですが、予算や人員の制約などから、最近は実現できませんでした。
今回、フジテレビ「少年タケシ」の福原プロデューサーのサポートでマネックスも「お金のがっこう(仮)」ワークショップを開催することになりました。2月27日に慶応大学の日吉キャンパスで行います。主催はCanvasというNPO法人。子供を対象とした大規模なワークショップのイベントの1つとして参加します。
今年は12000人が参加予定!Canvasが主催するワークショップコレクションhttp://www.wsc.or.jp/WSC.html
(マネックスは現時点ではまだ掲載されていません)
今回の試みに手応えが得られれば、投資の枠に留まらないお金の教育という視点で、子供へのコンテンツ提供を広げていきたいと考えています。活動を広げていくことによって、最終的にはマネックス自身にとってもプラスになる。そんな継続性のある仕組みがベストです。
今回の話のまとめ---------
■ 投資教育は経済教育、金融教育の応用形として存在する
■ 日本における投資教育にはいくつかの障害がある
■ 子供の頃から適切なお金の教育を行う環境が重要
では、また来週・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp/
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