その438 自分の資産管理は、個別の商品単位で行ってはいけない

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

その438 自分の資産管理は、個別の商品単位で行ってはいけない

本日、マネックス証券の新しいサービス「MONEX VISION β」がリリース
されました。資産を管理するツールとして、マネックス証券の口座保有者の方ならどなたでも利用できます。資産設計をテーマにした、このコラムをお読みの方には、きっと価値を認めていただけるツールではないかと思います。
【概要】1人ひとりにあわせた資産設計をアドバイス「MONEX VISION β」http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news10105.htm
■ 金融資産の管理はリスクとリターンのバランスで考える

自分の金融資産の管理でまずやっておかなければならないことは、自分の資産が時価でどのくらいあって、それがどんなリスクにさらされているか、を把握することです。

時価を計算するのも面倒なものですが、金融資産がそれぞれ持っているリスクが合体されて全体でどのくらいのリスクがあるのか把握するのは、大変な作業です。

過去データを使って過去の資産の変動率や相関から計算していくのですが、膨大なデータ量になり個人で計算するには、手間と時間がかかり過ぎです。
さらに今回のマネックスビジョンではブラック・リターマンモデルという先進的な資産配分理論が導入されています。このような分析手法は個人には、不可能に近いと思います。

マネックスビジョンで自分の主要な資産のリスク・リターンのバランスを把握することが自動的にできるのは画期的です。なぜなら、このバランスを認識していない個人投資家の方が意外に多く、それがリスクの取り過ぎにつながり資産運用の失敗の原因になっているからです。

■ 金融資産の管理はアセットクラス毎に行うべき

金融資産の管理は、個別商品について細かく見る前に、アセットクラス毎にまとめていくのが、最初のステップになります。アセットクラスとは資産の種類のこと。あまり細かく分けすぎても、逆に全体が見えなくなってしまいますが、マネックスビジョンでは11のアセットクラスに自動的に資産を振り分けしてくれます。

これによって同じリスクを持った商品がまとめて管理できるようになるのです。日本株も日本株のインデックスファンドも、日本株のETFも商品は異なっても、どれも日本株のリスクを持った商品ですから合わせて管理すべきなのです。

■ 金融商品の選択はコストも重要な要因

アセットクラス別の資産配分が決まったら、次は具体的な商品選択ということになりますが、そこで重要になってくるのが、商品のコストです。マネックスビジョンの追加購入アドバイス機能は、信託報酬の低い商品が
上位に表示されるようになっています。

商品の選択にはコスト以外の要因も重要ですから、単純に上から購入という訳にはいきませんが、良心的な配列方法だと思います。この順番は変わらないで欲しいものです。

■ マネックス証券の金融資産だけで分析しても不十分

金融資産の管理は全体で認識しないと意味が無いと書きましたが、当然他の金融機関にも資産を持っている方はそれも合計して管理することが必要です。
マネックスビジョンでは、他の金融機関の資産を手入力で補正できるようになっています。個別の商品レベルでは登録できませんが、アセットクラス別に金額を入れることができますから、資産配分を考える上ではこれだけでも充分です。

<Q&A>マネックス証券以外で保有している資産も反映させたいのですが?http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/mnxlab/vb_qa.htm
もちろん、入力の手間が省けるという点では、マネックス証券に資産を集中させた方が便利ではありますが、他の金融機関の資産も手入力して合わせて分析しなければ、せっかくの資産管理の意味がなくなってしまいます。

■ 相場観を入れるとどうなるのか

さらに、応用編としては、これからの相場見通しを反映させたマーケットビュー機能があります。こちらは、マネックス証券で毎月配信している「マーケットの歩き方」で発表している相場見通しを具体的な資産配分に落とし込んだものです。例えば、円安を想定するなら、外貨資産をやや高めの配分に、債券が割高だと思うなら比率を下げて、という具合に調整した資産配分案を提示します。現状であれば、例えばこんな相場見通しです。

潮目の変化がついに訪れた! 9月のマーケットの歩き方
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news1009e.htm
使って楽しい、資産設計アドバイスツール「マネックスビジョン」。是非ログインして使ってみて下さい。口座をお持ちで無い方は、口座開設をどうぞ。
マネックス証券の口座開設
http://www.monex.co.jp/AccountRegistration/00000000/guest/G300/acc/index.htm

今回の話のまとめ---------

■ 自分の資産のリスク・リターンを自分で計算するのは難しいし手間

■ 資産配分を決めてから、選択する商品のコストを考える

■ 資産運用で重要な現状認識をするだけで投資の成果は変わってくる

では、良い週末を・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍

株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

ツイッター:http://twitter.com/Shinoby7110

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