2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
10月に入り、東京もようやく秋らしくなってきました。今月は、四半期毎に自分の資産をチェックする、モニタリングをやっておきましょう。毎月やっても良いですが、資産運用を続けるコツは負荷をかけすぎないこと。3ヶ月に1回なら、それほど時間を取られません。
このモニタリングの目的は2つあります。1つは自分の資産が時価でいくらになっているのかを知ること。そして、もう1つが自分の資産の配分がどのようになっているかを把握することです。後者を知るためには、自分の資産をグループ分けする必要があります。
■ 資産はまず6つのグループに分けてみる
グループ分けの方法はいくつかありますが、あまり最初から細かく分けすぎないことです。私はまずざっくりと6つに分類することを提案しています。ポイントは似たようなリスクを持っている資産をまとめていくことです。
例えば、外貨の資産と円貨の資産、株に連動した資産と金利型の資産(預金、債券)、そして普通預金や証券会社のMRFのようないつでも現金化できる資産、さらに、コモディティや不動産のようなその他の資産、という具合です。
この分類でいくと、
1.日本株式(株価リスクあり)
2.日本債券
3.外国株式(株価リスクと為替リスクあり)
4.外国債券(為替リスクあり)
5.流動性資産
6.その他の資産(商品毎の独自のリスクあり)
と6つに分けることができます。
6つの資産に配分する図と具体例はこちら
http://www.monexuniv.co.jp/course/step_4.html
■ 株式と外貨の比率を知っておく
このような分類をしたら、株価リスクのある資産と為替リスクのある資産がそれぞれ合計でどのくらいあるのかを計算してみましょう。比率が高すぎても問題ですが、比率が低すぎるのもリスクを取らなすぎになっている可能性があります。
日本人に多いパターンは、日本債券や流動性資産ばかりのリスクを取らない(又はリスクの低い)人と、日本株に資産の50%以上が集中していたり、外国債券に分類される毎月分配型投信を高い比率で保有している、リスクを取り過ぎている人です。
考え方は人それぞれですが、私は株価のリスクは資産全体の50%、為替のリスクは資産全体の40%程度が良いと考えています。
■ 外国株式は先進国と新興国に分けて考える
さらに詳しく分類したければ、外国株式を先進国と新興国に分けて比率を計算してみましょう。時価総額では、先進国の比率が圧倒的ですから、それに沿った配分が原則ではありますが、ハイリスクを承知の上で、成長性の高い新興国に投資をするのであれば、新興国の比率を先進国と同じくらいまでもっていくのもあり、です。
ただし、国別の分散はしっかり行うようにしましょう。
このように資産を分類して管理するモニタリングなら年間4回程度であれば、誰でも簡単に続けられると思いますが、それもなかなか時間が無くて、という方には、先週ご紹介したマネックスビジョンを使っても良いでしょう。こちらでは、更に細かく資産を11のアセットクラスに分類しています。
既に1万人がご利用!資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news10105.htm
1つ1つの商品を個別に追いかけるのではなく、全体を鳥瞰するように資産を把握するのが投資のポイントです。鳥の目を持つことを意識して資産を定期的にチェックしてください。
今回の話のまとめ---------
■ 9月末時点で3ヶ月に一度のモニタリングをして資産チェックを
■ モニタリングの目的は、時価総額とリスク状況の把握
■ 自分でやるのが面倒ならツールを使うのもあり
では、良い3連休を・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
ツイッター:http://twitter.com/Shinoby7110
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