第 152 回 年利25%の外貨預金は掘り出し物?

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第 152 回 年利25%の外貨預金は掘り出し物?

<質問>
ネット上で年利25%の外貨預金を見つけました。金利が高すぎ少し不安ですが、良く知っている銀行の商品ですので、少しだけ試しに預けてみようかと思っていますが、信用して良いのでしょうか?
内藤さんはどう思われますか?

<回答>

ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。

ご質問者の方が検討されている年利25%という商品は、恐らく南アフリカランド建て外貨預金だと思います。キャンペーンということで金利が高く設定されているのですが、高金利に飛びつく前にまず商品説明をじっくりとチェックしてみましょう。

まず第1に確認すべきは、預け入れ期間です。年利25%だからといって1年間同じ金利が適用されるとは書いていないはずです。
キャンペーンの場合、最初の1ヶ月だけ高い金利で、2ヵ月後からは普通の金利になってしまう場合が多いようです。南アフリカランドであれば外貨預金金利は5%程度ですから、2ヶ月目から5%なら、1年間預けたとしても平均金利は7%程度まで下がってしまいます。年利25%でも1ヶ月だけなら12分の1しか高金利にならないのです。

次に、為替手数料を確認してみましょう。外貨預金の為替手数料は銀行や通貨によって異なります。商品性が異なりますから単純に比較することはできませんが、外貨MMFやFXに比べると高くなる傾向があります。この為替手数料によって実質のリターンには大きな違いが出てくるのです。

高金利に飛びつく前に、まずご自身の資金を実際に預けた場合の手数料差し引き後の手取りを計算してみましょう。

為替手数料を外貨預金の預け入れ時と、満期時の2回支払い、金利は2ヵ月後から通常レベルで計算し、1年後にいくらになるのかを計算してみると、年利25%という金利とかけ離れたリターンに驚くはずです。

為替リスクという高いリスクを取って、そのような商品に投資する価値があるかどうかをもう一度考えてから投資の最終判断をすることが大切です。

金融の世界にはうまい話は存在しないし、もし存在するとしても向こうからはやってこない。これが大原則なのです。

内藤 忍
1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

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