第 157 回 リーマンショックのときに損切り、投資資産半減。投資の再出発の為の道筋とは

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第 157 回 リーマンショックのときに損切り、投資資産半減。投資の再出発の為の道筋とは

nakamura_san_prof_mini.jpgQ 55歳の会社員男性。妻(47歳・主婦)と子供が3人(21歳・17歳・13歳)です。
年収:以前は1000万円以上ありましたが、昨年は900万円に。
株式投資をしていたのですがリーマンショックで資産が半減したところで全て売ってしまいました。今思い起こせば、売らずに継続しておけばよかったと。もう一度投資を始めようと思うのですが何から始めたら良いでしょうか。

A  今週はアルファアンドアソシエイツ ファイナンシャルプランナーの中村芳子が回答します。ご質問いただきありがとうございます。
株式をいちばん安いところで売ってしまったのは痛かったですね。でもいい勉強になりました。この経験がこれからの投資――退職金などの運用の糧になります。
ご存知のように、投資のリスクを小さくするためには、「分散」の手法があります。「資産の種類」を分散すること、「購入の時期」を分散することの2つがよくいわれますが、実はもうひとつあります。「売却の時期」を分散することです。

500万円分の投資資産を現金化するとき、一度に売るといちばん安いところで売ってしまう危険がありますが、50万円ずつ10回に分けて売ればそれを避けることができます。相談者の場合も分散売却をしていれば、損が小さくすんだと思われます。 

しかし現金化したタイミングは悪くありません。というのは、これからお子さんの教育資金がドンとかかってくるからです。2番目、3番目の子の大学入学が1年後、5年後に控えています。支出時期が近い資金はリスクを取るべきではありません。大学用に今まで貯めた分もこれから貯める分も安定型の金融商品に預けましょう。個人的に「リスクのある商品に投資するのは運用期間が10年以上の資産の50%」をお勧めしています。

今、第一に準備するべきは「教育資金」。お1人目のご経験でだいたいお分かりだと思いますが、現状のプランを見直し、十分な資金が準備できるか確認してください。子どもが高校3年(18歳)までに<大学4年間にかかる費用(学費+生活費)の半分>を準備するのが目安。金額は進路によって違います。大ざっぱに子ども1人あたり250万円(国公立に自宅から通学の場合)~500万円(私立文系に自宅外から通学の場合)です。ただ、相談者の場合の3人目のように、子の大学入学が退職時(以降)となる場合は、全額(500万円~)を準備したいところです。

投資をまた始めたいというご希望です。これからの投資は自分たちのための「退職後資金」分ということになります。投資の基本にもどって、資産種類と購入時期を分散させる戦略をたてましょう。それには個別株式より投資信託が便利。投資信託での積立を柱とすることをお勧めします。月々とボーナスから計画的に積立て、それ以外に投資できる資金があれば、全体のバランスと市場の動きを見て投資先(個別株式もOK)を決めましょう。

中村芳子 ファイナンシャルプランナー
http://www.al-pha.com/fp/

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