第412回 1万円で始められる?少額投資の考え方

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第412回 1万円で始められる?少額投資の考え方

<質問>

1万円程度で投資を始める時に、銘柄の探し方や、おすすめの運用方法はありますか?

<回答>

まず、銘柄の探し方よりも、その投資によって時間をかけて何を積み上げるのか、何を積み上げてリターンを得ることを期待するか、何のリスクならとれるか、といったことを考えることが大切だと思います。

投資というのは、時間をかけて投資先の資産が持つ本源的なリターンを積み上げ、お金を増やそうとするものです。ここがブレてしまうと、自分の本来の考えと違うものに投資してしまったり、後でどうしたらいいか分からなくなってしまったり、後悔することになったりしがちです。

例えば、株式投資であれば、時間をかけて積み上げるのは投資先企業の利益成長と配当です。しかし、利益成長や配当の積み上がりには不十分な短期間では、バリュエーションの変化(割高になったり、割安になったりすること)や海外銘柄であれば為替変動による影響が大きくなり、そこでの損益で考えてしまう人が多いのです。債券投資でも同様です。債券投資で時間をかけて積み上げるのは利金収益ですが、利金収益が積み上がるのに不十分な短期間での、債券利回り変化による債券価格変動や、海外銘柄であれば為替変動による損益で考えてしまう人が多いのです。また、投資する銘柄を選ぶ際にも、本源的な期待リターンは小さいにもかかわらず短期間で割高化の進んだことで大きなリターンをあげている銘柄を選んで結果として高値掴みをしてしまう人が多いのはこうしたことに対する考慮が少ないという要因もあると思います。

株式投資であればどういった企業の利益成長や配当に期待したいのか、そのためにとるリスクを許容できるのか、をまず考えるべきです。債券投資であればどんなリスクをとってどのくらいの利回りを期待したいのか、をまず考えましょう。そのうえで、それに見合った銘柄を探せばよいと思います。

おすすめの運用方法、というのは難しいですが、少額であればやはり投資信託を活用するのが良いと思います。投資信託は少額から活用できるうえ、仕組みとしても金融商品としても非常に優れていると思います。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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