マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
これまで信用取引を始めるにあたっての様々なポイントについてお話ししてきましたが、自信がついてきましたか?
まだ自信がないという人のために、今回はリスク管理の具体的な方法についてお話ししたいと思います。リスク管理というと何か難しそうに聞こえますが、実はとても簡単です。それは損失を拡大させないことです。ただ、簡単なことではあるものの、なかなかできないのがこのリスク管理です。
ではリスク管理についてお話しする前にそもそも株式投資のリスクとは何なのか考えてみましょう。
いわゆる株式投資のリスクには3つ考えられます。ひとつは企業の倒産リスクです。みなさんの中には価格の安い株を、いつかは価格が戻るだろうと考え、中長期投資で買う人がいるかもしれません。またその時、水準訂正から株価が戻るだろうと考えられる基準として、PERやPBRが低い銘柄を選ぶことがあるかと思います。
ただ、ここには落とし穴があります。例えば不動産会社のように資産が多くて利益が出ているように見える会社であっても、資金繰りが悪化してしまったところで黒字倒産ということがあり得るのです。これは、リーマンショックの後、実際に起こったことです。
2つめのリスクは流動性リスクです。流動性リスクとは、売買高が少ない銘柄を購入した場合、売りたい時に成行注文をすると、その注文で値段が下がってしまったり、また、買い注文が少なく、売りたい値段で売れなかったりといったようなリスクのことです。
そして3つめのリスクが価格変動リスクです。前述の2つのリスクは、実際にトレードをする前に見分けることができるため、事前にリスク回避ができます。ところが価格変動リスクは、株を保有した途端に発生するものなのです。また、この価格変動がなければリターンとなるキャピタルゲインが期待できないわけですから、このリスクを避けて通るわけにはいきません。
では、価格変動リスクをどのように回避すればよいのでしょうか。あるいは、どうすれば価格変動による損失を拡大させずに済むのでしょうか。
こうした疑問を持っている信用取引初心者におすすめなのが、マネックス証券の信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」です。「みまもるくん」は、あらかじめサービスに申し込んでおく必要がありますが、建玉毎に損失を管理するのではなく、信用取引口座全体で管理してくれるのが特徴で、損切り決済率を定めておけば自動的に注文を出してくれます。詳細は「みまもるくん」のページをご覧いただくとして、損切り決済率設定のポイントについてお話しします。
例えば、「みまもるくん」の損切り決済率は2%から20%の間で可能ですが、仮に20%に設定するとどうでしょう?買い建て玉の20%が損失となってしまうわけですから、損失額が大きくなってしまいます。一方で、2%にしてしまうと、すぐに自動決済に引っかかってしまい、損切り回数が多くなってしまうことが考えられます。
こうしたことを考えますと、一概には言えませんが、10%前後を基準にして、自分なりに加減しながら設定するのが良いのではないかと思われます。
「みまもるくん」のようなリスク管理サービスを利用することで、昼間忙しい人でも安心して信用取引ができますし、旅行などに出かける前にセットしておけば安心して出かけることができると同時に、損失拡大を防ぐことができます。信用取引に少しでも不安のある方は、一度、サービスの詳細をチェックしてみられるとよいでしょう。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。
マネックスからのご留意事項
「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。