第8回 移動平均線の作り方と見方について 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第8回 移動平均線の作り方と見方について 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。

今回も移動平均線について詳しくお話ししたいと思います。今回は移動平均線の作り方とその見方についてです。日ごろ何気なく見ている移動平均線ですが、どのように作られているのかご存知でしょうか?移動平均線という名前に表されているように、移動しながら一定期間の平均線を描いていくというものになります。

たとえば、5日移動平均線の場合、まず5日間の終値を合計します。
1日目:500円、2日目:515円、3日目:510円、4日目:520円、5日目:530円500円+515円+510円+520円+530円=2,575円となります。
つづいて、これを5日間の平均値に直すと...。
2,575円÷5日=515円
5日移動平均線の値は515円になります。

このままですと、当日の値だけということになりますので移動させていきます。ではその移動の方法ですが、移動平均線でも、その他のチャートでも考え方は同じですが、5日目から6日目に日付が移った場合、初日の値を捨てて、6日目の値を入れるというふうに入れ替えを行うのです。すると次のようになります。

2日目:515円、3日目:510円、4日目:520円、5日目:530円、6日目:545円515円+510円+520円+530円+545円=2,620円となります。
つづいて、これを5日間の平均値に直すと...。
2,620円÷5日=524円になります。

この作業を繰り返すことで移動平均線が作られていくわけですが、この時同時に日々計算された移動平均線の値に注目する必要があります。なぜなら、移動平均線の値が上昇したり、下落したりすることで移動平均線の向きが変化するからです。

今紹介したケースですと、6日目の株価が上昇したことで、移動平均線も、515円から524円に上昇しましたが、移動平均線の向きを見ることで、日々株価が前日比で上昇、下落していても、その上昇分、下落分の値幅が平均化されるため、移動平均線の向きを見ることで日々の値動きにだまされることなく、全体の方向を見ることで株価の方向を判断できるということになるのです。たとえば、移動平均線の向きが上向きであれば、5日間の終値の平均値が上昇していることを示し、逆に移動平均線の向きが下向きの時は、5日間の平均株価が下を向いているということがわかります。

したがって、移動平均線の向きを見ることで、日々の株価の上昇や下落で一喜一憂することなく、株価の方向を確認することができるようになるのです。仮にみなさんがスイングトレーダーで、一週間くらいの間に1回くらい売買したいというふうに考えている場合、5日移動平均線を中心に売買判断を考えると上手くいくのではないかと思われますし、中期投資家で1~2、3ヵ月で売買したいという人は、25日や75日移動平均線などを使って株価の方向や売買タイミングの判断を行うと良いのではないかと思われます。

今回は、移動平均線の作り方と見方についてお話ししましたが、次回は売買判断についてお話ししたいと思います。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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