マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。
5月31日現在、世界には4,871本のETFが存在しています。純資産額ベースで見たETFプロバイダー(運用会社)のトップ3は、1.i シェアーズ38.6%、2.ステート・ストリート16.6%、3.バンガード13.6%となっています(日本の野村グループも第7位に入っています。いずれも「ETP LANDSCAPE INDUSTRY HIGHLIGHTS」より)。さて、7月17日(水)にETFプロバイダー最大手のi シェアーズが、3本のETFを日本市場に上場させます。これまで国内運用会社が大勢だった日本のETF業界に、大きなインパクトを与える可能性があります。以下がその3本のETFです。
・i シェアーズ 先進国株ETF(1581)
MSCIコクサイ指数との連動を目指します。
・i シェアーズ エマージング株ETF(1582)
MSCI エマージングマーケッツIM指数との連動を目指します。
・i シェアーズ フロンティア株ETF(1583)
MSCIフロンティア100指数との連動を目指します。
ご覧の通り、上記3つのETFを組み合わせることで、日本を除く先進国株式、新興国株式、フロンティアマーケット株式を網羅することが可能になります。私たち個人投資家は、日本に居ながらにして世界投資が完結するわけです。上記3本のETFは、米国市場に上場する銘柄を日本型預託証券(JDR)形式で国内市場に上場させる仕組みです。したがって日本の「特定口座」に対応し、信用取引を行うことも可能です。
3つのETFを詳しく見ていきましょう。1581は米国市場に2007年に上場したETFで、日本以外の先進国株式を網羅するため、本来、日本市場に上場してこそ力を発揮するツールといえます。国内市場では日興アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンド海外先進国株式」(1680)と競合することになります。
続いて1582ですが、これは世界的に有名なETF、MSCI エマージングマーケッツ・インデックスファンドではありません。i シェアーズが昨年10月に新しく組成した「i シェアーズ・コアシリーズ」の中の1本となります。1582は信託報酬が年0.18%であり、このアセットクラスに投資を行うETFとしては業界最低水準です。また、採用される「MSCI エマージングマーケッツInvestable Market指数」は新興国の小型株も網羅しており、「MSCI エマージングマーケッツ指数」と比べて投資対象が広くなっています。
最後に1583ですが、新興国群の次に位置するフロンティアマーケットに投資を行います(正確にはフロンティアマーケット100指数との連動を目指します)。1583は以下の4ヶ国で組み入れのおよそ70%を占めます。1.クウェート25.64%、2.カタール18.10%、3.アラブ首長国連邦13.89%、4.ナイジェリア12.47%です(6月13日現在)。そのほか、パキスタン、ケニア、オマーン、カザフスタン、アルゼンチン、ベトナムなどが組み入れ国となっています。これまでアクセスが限られていたフロンティア市場に低コストで投資が行えるのは大きなメリットといえるでしょう・・。
これは筆者の個人的な期待ですが、今後i シェアーズには「国別株式ETF」や「債券ETF」など、多彩なラインナップを国内市場に投入してもらいたいものです。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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