第18回 移動平均線の具体的な取引への活用法について(4)(かい離拡大)【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第18回 移動平均線の具体的な取引への活用法について(4)(かい離拡大)【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。
いよいよグランビルの法則についての話しも今回を入れてあと2回となりました。今回は売りの法則の4つ目となります。
これまで一緒に見てきたグランビルの売りの法則は、それぞれ200日移動平均線の向きが横ばいか下向きの時に、その200日移動平均線を下回ったり、あるいは下から近づいたりしたところを売るというパターンで、200日移動平均線の向きが下向きというのがベースにありました。
ところが、今回の売りのパターンは200日移動平均線の向きが上向きの時に売りを考えるもので、これまでの売りパターンとはまったく異なるものになります。
では、200日移動平均線の向きが上向きの時に、どのように売りを考えればよいのでしょうか。
ここでのポイントは、200日移動平均線とのかい離に着目します。そもそもこのかい離とは、たとえば200日移動平均線に対して株価がプラスかい離であれば、株価は200日移動平均線よりも上にあると同時に、この200日移動平均線が示す期間内で売買した人のうち、買いポジションを持っている人は利益が出ているということが考えられます。
ただ一方で、かい離が広がり過ぎて(=株価の上昇の勢いが強く)、含み益が大きくなるケースでは一旦利益確定の売りを行おうとする人たちが出てくることが考えられますが、今回の「売りの4つ目のパターン」は、そうした利益確定売りが出る前に持ち株を売っておこうという考えに基づいて作られているものです。

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そこでこの日産自動車のチャートをご覧ください。上段はローソク足と200日移動平均線で、中段が200日移動平均線とのかい離率を表したものになります。一般的には、日経平均株価やTOPIXなどでは、200日移動平均線とのかい離率が20%以上に開いたら過熱気味だとされていましたが、今回のこの日産自動車のケースでは、5月21日に終値ベースで高値を付けた時のかい離率が、なんと46.65%にまで拡大しており、過熱気味であることがわかります。
そしてそのあと急落する結果となっており、まさにグランビルの法則通り、かい離が拡大したあとに下落する結果となりました。
ただ、実践で活用する場合、何%のかい離率だと株価の上昇が止まるのか、調べておく必要があります。また、かい離率の広がりの目安が必要な場合ですが、発行済み株式の多い大型株などは、かい離率が低くなりがちです。
一方で小型株はかい離が広がりやすいことが考えられますので、売る時のかい離率の目安は大型株よりも広めにとっておく必要があると思われます。
例にあげた日産自動車ですが、こちらは大型株に分類されますので、どちらかというと、かい離率は小さい方ですが、それでも200日移動平均線とのかい離率の広がりを見ると、50%近くまで広がっていますので、大型株の場合、40%から50%くらいが買われ過ぎの目安になるのではないかと思われます。

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