マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。移動平均線の具体的な取引への活用法についての話も、今回でいよいよ最終回となりました。
これまで買いの法則4つと売りの法則4つの具体的な取引への活用についてお話ししてきましたが、そのまとめになります。
そこで、まずは移動平均線を実際の取引に活用する時のポイントを思い出してみましょう。ここで重要なことは、買いの4つのパターンも、売りの4つのパターンもすべて移動平均線の向きから売買を判断するということでした。
移動平均線の向きが上向きであれば、買いパターン3つと売りパターン1つ、そして移動平均線が下向きの時は売りパターン3つと買いパターン1つでした。
このようにまずは移動平均線の向きを確認してから売買を判断し、それぞれ4つの選択肢から1つを選ぶわけです。ただグランビルはこの時の移動平均線に200日を使っているため、売買の判断が遅れがちになるということが言えそうです。
なぜなら、グランビルが法則を発表した1970年代に比べ、現在では取引量やスピードが格段に増加したり、早くなったりしているということが言えるからです。
そのためグランビルの法則の考え方を、現在のようにスピードが速くなった環境に合わせて売買判断を行うとなると、200日移動平均線だけではなく、75日や25日移動平均線を200日移動平均線と併用して売買判断を行うことが重要になるのではないかと思われます。
そこで、トヨタ自動車の日足の移動平均線チャートをご覧ください。ここでは、25日、75日、200日の移動平均線が表示されています。また、赤い丸をつけたところは、200日移動平均線ではなく、25日や75日移動平均線に接近したところや、上方かい離が広がったところを示しています。
ここで示したように、株価が200日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることは1度もありませんでしたが、上向きの25日や75日移動平均線に接近したり、割り込んだりしたところでは、反発する結果になるなど、200日移動平均線に近づかなくても、より短い移動平均線で同様な現象が起こっているのがはっきりわかるわけです。
したがって、グランビルの法則の考え方を現在の環境に合わせて修正することによってより使いやすくなると思われますし、パフォーマンスの向上にも役に立つのではないかと思います。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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