第38回 わたしとETFの出会いについて 【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第38回 わたしとETFの出会いについて 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。筆者とETFの出会いは2001年の11月に遡ります。ちょうど、「CNBC Asia」(ケーブルテレビ)を観ていた時のことです。香港のスタジオにいるキャスターが、「来週、中国株ETFが香港市場に上場します」とコメントしていました。「とうとう中国株式のETFが登場するのか」と、筆者はひとり感慨に耽ったものです。そのETFが「i シェアーズ MSCI チャイナインデックスETF」です(当時の呼び名はMSCI チャイナトラッカーファンドでした)。もちろん、当該ETFは今も香港市場に上場しています(銘柄コード02801)。しかし、このETFの中身は当初きわめていびつなものでした。上場時の組み入れ企業はたった28社。筆者が2003年にこのETFを購入したときも、組み入れ銘柄は34社にすぎませんでした。2003年当時の組み入れ第1位はチャイナモバイルで、純資産額に占める比率は約27%でした。第2位のペトロチャイナはおよそ11%であり、たった2社でETF全体の40%近くを占めていたのです。しかし、中国経済の発展とともに、当該ETFに組み入れられる企業数は増加していきました(正確には、ETFが連動を目指す「指数」が構成銘柄を多様化させていったのです)。2006年にはチャイナインデックスETF の組み入れ企業は63社となり、2013年9月19日現在、138社にまで拡大しています。また、直近3ヶ月の1日あたり売買高は約247,000口となっています。当該ETFの純資産残高の増加に伴い、年間経費率も下がっています。筆者が当該ETFを購入した当時は年間経費率が年0.99%でした。それが今では0.59%に下がっています。

このように、国別株式ETFの中身を時系列で見ると、マーケットの発展を肌身で感じることができます。成長著しい国の株式は、栄枯盛衰の移り変わりが激しいです。また、今後の勝ち組をうまく見極めるのも容易なことではありません。さらに、新しい会社が次々と上場するため、どうしても目移りしてしまいがちです。ETFというツールで市場を丸ごと買ってしまえば、皆さんが購入するのは『めまぐるしく変遷する企業の集合体』となります。ETFが連動を目指す「指数」は、経済規模の拡大、あるいは産業構造の変遷に伴って、定期的に構成銘柄を入れ替えてくれます。つまり、市場平均を単純に持ち続けることで、逆に時代の変化にキャッチアップしやすくなるのです(きわめて合理的な選択だと思いませんか?)。参照までに、組み入れ銘柄数の少ない国別株式ETFを挙げておきましょう・・。マーケット ベクトル ベトナムETF (VNM)の組み入れ企業は28社です。また、iシェアーズ MSCI フィリピンETF(EPHE)の組み入れは41社。さらに、iシェアーズ MSCI ポーランドETF(EPOL)は43社の組み入れとなっています(いずれも米国市場上場。組み入れ企業数は9月19日現在)。その国の成長を長い時間スパンで見守る気持ちで、国別株式ETFを保有されてみてはいかがでしょうか・・。最後に、本日取り上げたETFはいずれもマネックス証券で購入可能となっています。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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