第1回 株価の勢いについて 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

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第1回 株価の勢いについて 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回から株価の勢いについてお話ししたいと思います。
ところでみなさんは、株価に勢いがあると言った時、何を基準に勢いがあると判断しますか?

また信用取引のようなレバレッジを効かせて取引を行う場合、勢いのある株を買ったり、売ったりするなどということが書かれていることがよくありますが、こうした時の勢いはどのように判断しているのでしょうか。

さらに、勢いがあると言ったときに、上昇の勢いもあれば、下落の勢いというのもあると思いますが、それぞれどのように判断すればよいのでしょうか?
この根本的な問題について考える時、そもそも株式投資でいうところの勢いについて、勢いとは何なのかということを考える必要があるかもしれません。

たとえば、「勢いよく走る車」といった場合の勢いはスピードで表されています。スピードの単位はkm/hとなります。ほかに「あの人は今勢いがある」といった場合の勢いは、「仕事をバリバリこなしている」とか、「困難も乗り越えられそう」などがすぐに思い付きますが、普段、株式投資の世界でよく使われる勢いについては、感覚的に使っていることが多いのではないでしょうか。

そのため、AさんはX株について勢いがあると感じていても、Bさんから見ると勢いがあるとは感じられなかったりと、人によって見方が異なってきます。感覚的なものに頼ってしまうと、比較することができないばかりか、客観的な判断ができなくなってしまう危険性があります。そうなると、売買タイミングや売りか買いかの判断をも誤ってしまうことになり、損失拡大につながって、マーケットから退場させられることにもなりかねません。

そこで、テクニカル分析では、Aさんであっても、Bさんであっても、あるいはCさんというふうに人が変わっても、「勢いがある」、あるいは「勢いがない」ことを客観的に判断できるものを作ろうとしたわけです。

それが「勢い」を分析することの始まりと言えるでしょう。では、本題に戻ってテクニカル分析で言うところの「勢い」とは何なのか...。
それは、価格情報を元にした前日比の上昇幅や上昇率ということになります。たとえば、前日比で一日に10円上昇している時と50円上昇している時には、どちらの株価動向に勢いを感じますか?

また逆に前日比で一日に20円下落している銘柄と一日で120円値下がりしている銘柄のどちらに下落の勢いを感じますか?
上昇時に勢いを感じるのは10円より50円でしょうし、下落している場合も、20円より120円値下げしている方が下落の勢いがあると感じるはずです。
ただ、こうした値上がり幅から見た勢いも、50円でも勢いは弱いと考える人もいるのではないかと思います。また一日で判断してしまうと、判断を誤ることも考えられます。そこで、時系列でその勢いを客観的に判断しようとしたテクニカル指標があります。それが、モメンタムです。次回は、このモメンタムについてお話ししたいと思います。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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