マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。今日、米国では150本以上のREITが上場していますが、REITに投資を行うETFは2000年に初めて登場しました。その草分け的な存在が「iShares U.S. Real Estate ETF」(IYR)です。当該ETFは直近3ヶ月の1日あたりの出来高が900万口を超える人気ETFですが、このETFの特徴は3つあります。ひとつ目はREITだけでなく不動産株も含んでいる点です(具体的には不動産サービス、不動産開発を行う会社など)。二つ目は、組み入れるREITの業態が実に多様である点です。当該ETFの紹介ページを見ますと、ETFが組み入れるREITの業態とその割合が記載されています。専門不動産投資信託 28.69%、ホテル・宿泊施設不動産投資信託 5.08%、店舗用不動産投資信託 20.96%、不動産サービス 3.18%、工業・オフィス不動産投資信託 19.14%、不動産保有・開発 1.65%、各種不動産投信(REIT) 1.52%、住宅用不動産投資信託 12.71%、抵当不動産投資信託 6.89%など・・。実にさまざまな不動産が有価証券(REIT)として保有されているのが分かりますね。ただし、上記文中の「専門不動産投資信託」の意味合いが少し分かりづらいかもしれません。具体例を挙げてみましょう。当該ETFの組入れ第2位に「アメリカン・タワー」というREITがあります。このREITは米国国内において携帯電話の基地局用施設、ワイヤレス通信、および放送用タワーなどを所有しています(これなど、専門不動産投資信託の典型でしょう)。あるいは、組み入れ第3位の「パブリック・ストーレッジ」も同じく専門不動産投信に分類されます。当該REITはセルフサービスの倉庫施設であり、欧州においても事業を展開しています。さて、「iShares U.S. Real Estate ETF」の特徴の3つ目は、分配金利回りの高さです。当該ETFは年4回分配金を出しますが、直近(2013年12月)の分配金は0.58888ドルでした。2月3日(現地時間)の終値で見ますと、分配金利回りは約3.66%となります。また、当該ETFの紹介ページ内「分配金実績」を見ると、分配金は2009年09月28日に直近の最少額 0.39074ドルを記録し、また、直近の最高額は2006年12月27日の 1.08590ドルであることが分かります(各REITが組み入れる不動産の稼働率の違いから、ETFが払い出す分配金に大きな変動があることが分かります)。
米国市場に上場するIYRですが、実は昨年12月に国内市場にも上場を果たしました。これは「iShares U.S. Real Estate ETF」を『信託財産』として、JDRと呼ばれる有価証券を発行しそれを国内に上場させたものです(JDR形式と呼ばれます)。日本名は「i シェアーズ米国リート・不動産株ETF」(1590)です。米国上場のIYR1口分がJDRである1590 1口分に対応しています。1590の市場価格は円建て、分配金も円で払い出されますが、為替リスクを負うことに変わりはありません。今後、海外に上場する多くのETFがこのJDR形式で日本に上場する可能性が増しています。
『IYR・1590 概要』
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/TKSE/IYR.htm
(ブラックロック・ジャパンのウェブサイトへ移動します)
『IYR・1590 分配金履歴』
http://jp.ishares.com/product_info/fund/distributions/TKSE/IYR.htm(ブラックロック・ジャパンのウェブサイトへ移動します)
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
マネックスからのご留意事項
「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。