第19回 フォーメーション分析その16 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第19回 フォーメーション分析その16 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週もフォーメーション分析についてお話しします。今回はスパイクボトムについてです。このスパイクボトムは以前にもお話ししたことがありますが、今回はスパイクボトムが形成される背景についてもお話ししたいと思います。
それでは、例によってチャートをご覧ください。



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ソニーは今年2月4日に1,514円の安値をつけたあと、翌営業日は買い気配から始まって株価が25日移動平均線まで一気に戻す展開となりました。スパイクボトムの特徴は、このチャートに見られますように、安値をつけた日が一日しかなく、翌営業日から一気に反転して上昇するのがポイントです。

それでは、スパイクボトムはどのような背景から生まれるのでしょうか。たとえば、売られ過ぎから買い戻されることが考えられますが、テクニカル的には売られ過ぎとされるときの判断材料として、移動平均線からのかい離率の拡大があげられます。

一般的に日経平均株価などは25日移動平均線からのかい離率がプラスマイナス5%に近づいたり、超えたりすると一旦反転することが多いようですが、個別株の場合は、東証1部の主力株で5%から10%前後が目安となっているようです。

そこで当時のソニーのかい離率(下段のチャート)を見ますと、-12.7%まで拡大しており-10%を超えていたのが分かります。

このようにかい離率の拡大から買いが入ったということが言えそうです。ただこうした売られ過ぎを全ての投資家がウォッチしているわけではありませんので、何かきっかけが必要になります。そのきっかけですが、この時に伝わったのが「パソコン事業(VAIO)を国内投資ファンドに売却する方向で最終調整」といったニュースです。

この報道がソニーの不採算部門の整理や、エレクトロニクス事業の立て直しが進むのではないかといった期待につながり、一気に買いが進んだということが言えます。

こうなりますと、ソニーの業績に対する不安から売ってしまっていた人や、ニュースを知らない人は何が何だかわからないうちに株価が戻すことになってしまうことになります。

したがってここで注意しなければならないのは、ニュースについて事前に知ることはできませんから、前述のかい離率の拡大に注意しておく必要があると考えられるわけです。

底値で株を売ってしまったことがある人は、自分の売ったところが、こうした売られ過ぎの水準になっていなかったのかを確認し、同じような失敗を繰り返さないようにしたいところです。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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