マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。世界地図を目の前にすると、多くの人は国や地域で区分けを考えます。しかし、投資においては、世界をセクター(業種)で区切ることも可能です。「S&Pグローバル1200インデックス」は、世界の株式時価総額のおよそ70%をカバーする株価指数です。当該指数を10の産業に区分けすれば、10のグローバルセクターが出来上がります。景気の循環動向により、それぞれの産業は異なった値動きをします(また、平均を上回るセクターと平均を下回るセクターが現出するのは自明の理です)。iシェアーズがS&Pグローバル1200指数を10に区分けした「グローバルセクターETF」の運用を開始したのは2001年のことです。10のセクターETFはいずれも米国市場に上場し、分配金は年2回、年間経費率は0.48%となっています。さっそく詳細を見ていきましょう(※ 特に記述がない限り数字は7月3日現在のものです)。まずは「iシェアーズ グローバル金融 ETF」(IXG)です。当該ETFのカテゴリー別組み入れは、銀行51.22%、各種金融19.31%、保険18.52%、不動産10.45%となっています。銘柄数は228。世界の金融セクターに隈なく投資を行うことが可能です。次に「iシェアーズ グローバルテクノロジー ETF」(IXN)です。銘柄数は108社で、組み入れ第1位はアップル社です(同社の組み入れ比率は13.38%と突出しています)。次に「iシェアーズ グローバルヘルスケア ETF」(IXJ)です。当該ETFは銘柄数が88社のみで、上位組み入れ5社は、1.ジョンソン・エンド・ジョンソン、2.ノバルティス、3.ロシュ、4.ファイザー、5.メルクとなっています(ヘルスケアは後述する「生活必需品」と並んで、ディフェンシブ産業として有名)。なお、IXJの組入れ国第1位は米国で、その比率は60.72%と突出しています。次は「iシェアーズ グローバル一般消費財 ETF」(RXI)です。一般消費財のカテゴリーには、自動車・自動車部品、小売業、メディアなどが含まれます。次に「iシェアーズ グローバル資本財 ETF」(EXI)ですが、上位組み入れ5社は、1.ゼネラル・エレクトリック、2.シーメンス、3.ユナイテッド・テクノロジーズ、4.ユニオン・パシフィック、5.3Mとなっています(ユニオン・パシフィックは鉄道会社です)。続いて、「iシェアーズ グローバルエネルギー ETF」(IXC)です。組み入れ銘柄第1位はエクソンモービルとなっています。さらに、「iシェアーズ グローバル生活必需品 ETF」(KXI)では、P&G、ユニリーバなどの日用品を扱う会社、ネスレやコカコーラなどの食料品・飲料企業が組み入れられています。続いて、「iシェアーズ グローバル素材 ETF」(MXI)ですが、国別組み入れ比率は米国の割合が意外と低いです(29.04%)。また、「iシェアーズ グローバル電気通信 ETF」(IXP)の銘柄数は32社と、10のセクターETF内でもっとも少なくなっています(日本のソフトバンクが組み入れ第4位に入っています)。最後に、「iシェアーズ グローバル公益事業 ETF」(JXI)です。当該ETFのカテゴリー別組み入れは、電力49.13%、総合公益事業38.17%、ガス7.13%となっています。ここ5年ほど、一般消費財、資本財のリターンの伸びが顕著であり、オールド産業が変貌を遂げつつあることが伺えます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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