マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。筆者が国内設定のインデックス・ファンドに投資をし始めた頃、まだまだ信託報酬が高かったのを記憶しています。日本株式インデックス・ファンドでも年0.6%台、また、国内設定の海外株式インデックス・ファンドでは、信託報酬が年1%近くかかるものもありました。それに対して米国で設定されているインデックス・ファンド、特にバンガード社が運用するインデックス・ファンドは信託報酬が非常に低廉であり、その差は歴然としていました。それと同じように、かつては国内ETFと海外ETFの信託報酬の差は顕著で、ほとんどの場合、海外ETFの信託報酬のほうが低廉であったのです。しかし、今ではその様相が変わりつつあります。国内市場に上場するETFも、海外ETF並みに信託報酬が下がってきているものがあります。以下、国内ETFにおける信託報酬の低い銘柄トップ10を列挙してみます。
1.MAXIS JPX日経インデックス400 ETF(1593)0.078%
1.MAXIS トピックスETF(1348)0.078%
3.上場インデックスファンドTOPIX ETF(1308)0.088%
3.上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials ETF(1586)0.088%
5.スパイダー S&P500 ETF(1557)0.09%
6.上場インデックス JPX日経インデックス400 ETF(1592)0.10%
7.ダイワ上場投信−トピックスETF(1305)0.11%
7.TOPIX連動型上場投資信託(1306)0.11%
7.NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials ETF(1596)0.11%
10. iシェアーズ 米国高配当株 ETF(1589)0.12%
ご覧の通り、上位10銘柄のうち8本が日本株式に投資を行うETFで占められています。内訳はTOPIX型が4本、JPX日経インデックス400型が2本、TOPIX(除く金融)型が2本となっています。米国株式に投資を行うETFも2本ランクインしています(ただし、スパイダー S&P500 ETFは、元々米国に上場するETFを日本に重複上場させたもの。また、iシェアーズ 米国高配当株 ETFは、元々米国に上場するETFをJDR(日本型預託証券)の形で日本に上場させたものです。従って、両ETFとも米国における信託報酬がそのまま適用されています)。
上位10銘柄からは外れますが、日本以外の先進国株式に投資を行う米国上場の「iシェアーズ MSCIコクサイETF」(TOK)は信託報酬が0.25%であるのに対し、同じ投資対象である国内ETF「上場インデックスファンド先進国株式ETF」(1680)は信託報酬が0.27%となっています。その他、国別株式ETFで見ても、国内ETFと海外ETFの信託報酬の差はそれほどありません。読者の中には、0.1%程度の信託報酬で果たしてビジネスとして成り立つのかという危惧があると思います。しかし、ETFはそもそも「規模のビジネス」であり、仮にETFの純資産額が10兆円を維持できれば、0.1%の信託報酬でも年間100億円の収入が見込めるわけです。ETFマーケットの拡大が続ければ、信託報酬が年0.01%のETFも登場してくる可能性があると筆者は考えます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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