第31回 窓について その7 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第31回 窓について その7 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についてお話しします。前回までは、「普通の窓」、「高値を更新する窓」についてお話しました。またこうした窓は、海外での考え方をご紹介しているわけですが、分かりやすいように日本式で呼んでいますが、あまり格好よくないので本来の英語読みに直したいと思います。

たとえば、「普通の窓」が「コモンギャップ」、「高値を更新する窓」が「ブレイクアウェイギャップ」となります。そして今回ご紹介するのが、「ランナウェイギャップ」=「逃げる窓」です。
それぞれの窓の意味について分かってくると、「ランナウェイギャップ」と言った方が、「逃げる窓」というより格好いいですよね。また余談ですが、私と同世代の方は当時流行した歌のタイトルにもありましたので、イメージしやすいかもしれませんね。(笑)

さて、余談はさておき、今回の「ランナウェイギャップ」ですが、その名の通り、「逃げる窓」ということでチャートをご覧いただきましょう。銘柄は前回と同じソフトバンク(9984)です。


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今回のランナウェイギャップの特徴は、上昇トレンドが発生したときに、買い気配で始まって株価が下げないパターンをとなります。チャートを見ると分かりますが、2つ同じような窓がありますが、これが「ランナウェイギャップ」です。

「ランナウェイギャップ」は、売買判断として考えた場合、買い気配で始まっていますので、成り行きで買わないと買えないことが多くなります。また、こういうときに気をつけなければならないのは、下げてくるところを待っていても下げないため、買いそびれてしまうということです。

失敗話で良く聞くのは、「買えない銘柄ほど良く上がる」と言う話です。一般的には、買い気配で始まると高値掴みをしたくないという気持ちが働いて、買うのを躊躇することが多いと思われるのですが、そうしたケースではここでご紹介しているように「ランナウェイギャップ」となりますので、逃げる株を待っていても戻ってきませんから、ずっと買えないままということになるのです。
また、翌営業日も窓をあけて逃げていますので、買いたい人は益々買えない焦りから高値を買う傾向が強まり、株価の上昇が続くことになります。

このように「ブレイクアウェイギャップ」が発生したあと、翌営業日にさらに窓をあけると「ランナウェイギャップ」が発生することになり、寄付きから積極的に成り行きで買うか、あるいは追いかけていかないと買えないことが多いので覚えておきましょう。
次回も窓についてお話します。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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